新聞業界雑考 2
前回の続きです。
2.新聞業界の今後についてあれこれ
さて、以上のことから新聞業界もいよいよ後がなくなってきたことが分かるわけですが、新聞社としてはどういう打ち手があるのでしょうか。20年後はともかくとして、これだけネットが普及してきたわけですから、10年程度のタイムスパンでいくつか方向性について考えることも可能でしょう。ということで、思いついたことをメモ程度に。「ジャーナリズムかくあるべし」論はとりあえず脇において、まずは純粋に企業経営として考えます。
考察の第一前提として、紙の発行部数は今後急減していくとします。少子高齢化だけではなく、年代が下がれば下がるほど購読率が下がっているわけですから、この大きな流れはもはや避けることはできないでしょう。
第二に、プリントからネットに送信媒体を変更した所で、従前ほどの収益をあげることは不可能とします。というのも、新聞を読まなくなった世代が「ネットなら有料でも読もうか」と考えるとはちょっと考えづらいからです。少なくとも大幅な値下げが必要でしょう。もっともこれは裏付けがあるわけではないので、僕の個人的な考えです。
そうすると考えられる可能性として・・・
A. 中央紙と地方紙の棲み分けが進む
大阪のローカル紙として始まった朝日新聞(朝日新聞Websiteより)
このまま各新聞社が規模の縮小を続けていけばこうなるだろうな、という気がします。つまり、いわゆる中央紙といわれるところは売上減に対応して、コストを削っていくしかないわけですから、地方支局を維持することは難しくなっていくでしょう。そうなると、地方は地方紙しかなくなって、中央、というか東京・大阪ぐらいにいわゆる読売、朝日、日経あたりが残るというストーリーが考えられます。
よく言われるように日本の新聞社の発行部数がある意味異常であり、海外ではもっとエリアや内容に従って細分化されています。なので、こういう形に移行するのは充分に考えられるストーリーかな、と。
B. 大手新聞社が合併する
News Corporation:ルパート・マードック率いる世界最大のメディア・コングロマリット
マスメディア集中排除原則とかありますが、そもそも経営が成り立たなくなれば四の五言ってられませんから、早めの打ち手として大手新聞社が合併して規模の利益を追求するということは論理的には考えられます。
新聞発行部数が急減しているわけですから、輪転機の稼働率は下がっているでしょう。システム投資も重荷になっているはずです。であれば、合併してそうした二重投資を無くし、総務・人事・経理等の間接部門を統合する。地方支局も統廃合する。うまくいけばある程度は生き延びることができるでしょう。
とはいえ、この手の合併がうまくいくのはレアケースであり、各紙によって相当企業文化も違うでしょう。縮小均衡を座して待つぐらいだったら、危うい所が先手をうって合併する方がいいと僕は思うのですが、現実的にはちょっと難しいかもしれません。
まぁ、大体この2つの流れのうちのどちらかになるのではないでしょうか。他にも何かあるかもしれませんが、今はちょっと思いつきません。どちらになるのかは、事業環境の推移に加えて、何よりも新聞社の経営者の「意思」が大きなファクターです。
とりあえず、どの新聞も似たような紙面を作っている限り、市場が縮小すれば必然的に淘汰されていくでしょう。その時は差別化しない限り体力勝負になるわけですから、一般論としては小さいところから消えて行くものと考えられます。
そう考えると地方紙は各県で独占的な地位を築いているので、意外としぶといような気もします。むしろクオリティが下がると他紙に乗り換えられてしまう中央紙の方が先にきついのかなぁ、と。
蛇足ですが、ジャーナリズムのあり方として望ましいのはどちらか?AはAでいいような気もしますが、権力の監視という意味ではBのように大きな中央紙が生き残ってくれたほうが有効かもしれません・・・が、生き残った大新聞が腐敗したらそのときの被害はちょっと想像できません。やっぱりメジャーどころは複数生き残って欲しい。
ちょっと考えただけなので、結論らしきものは特にありません。引き続きテレビも含めて考えていきたいと思います。
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