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2009.10.06

ビジネス倫理の授業は面白い

英語の泣き言ばかり書いてもしょうがないので、たまには授業の紹介を。今受けているなかではビジネス倫理の授業が結構面白い。

基本的に倫理面で問題があるケース(実際に起こった事件)を取り上げて、みんなでディスカッションするのですが。。。

1.トレーディング

舞台は投資銀行。主人公は、自分の有能な上司が意図的に情報を隠して過大なコミッションをクライアントから巻き上げようとしていることに気づく。ある日上司から明らかにミスリーディングと思われるFAXをクライアントに送るように指示を受ける。上司が自分でやらないのは、明らかに行為の危険性を認識しているからである。

主人公はまだ会社に入ったばかり。自分が指示に従わなかったせいで巨額の取引を逸したという結果になったら、まずこの会社でのキャリアはない。しかし明らかにこの指示に従うことは個人的な倫理には反している。どうする?

2.盗聴

ヒューレットパッカードで実際に起こった事件。取締役会の情報がメディアにリークされる事件が相次いだ。ときのCEOは情報漏洩などあってはならないとつよく決意。リークした犯人を突き止めようと活動開始。外部のガバナンスコミッティに委託して調査依頼をかけたところ、次第に手段はエスカレート。孫うけした調査会社が本人になりすまして電話会社の通話記録を手に入れる。結果的に記者と取締役を含め、なんと数百人の通話記録を入手。

CEOは情報をリークした犯人は突き止めたものの、情報入手手段が問題になり米国議会で証人喚問を受け、刑事訴追を受けることになる。しかし、起訴されたCEOは「違法な手段で入手されたものとは知らなかった」と主張(最終的に無罪)。」果たしてこのCEOはどこで道を間違えたのか。この事件から学べる教訓とはなにか。

3.リコール

アメリカで起こったフォードのピントという車種のリコール事件。主人公はリコール担当部署にいた。ときはベトナム戦争の少し後。反戦的な時代に育った主人公は反体制的で、自分では高い倫理をもつと信じていた。MBAを取得した後にフォードに入社。実績を積んでやがてリコール担当の部署に異動。

当時フォードではピントという小型車を販売していた。小型ゆえにボディの強度がそれほど高くなく、開発期間が短かったため十分なテストを経ないままローンチしたという事情があり、結果としてある程度事故率は高くなった。しかし、他社と比較しても異常値といえるまでのものではなかったため、主人公を含めた担当者は2回リコールの決議に反対。

やがて、後部追突されたところ燃料タンクが燃えて、運転者が焼死するという事件がおき、全米規模で問題になる。運転者が死亡したケースのコストと、リコールのコストを計算して比較した内部メモの問題も明らかになり、さらにフォードに対する非難は高まった。

後日主人公は自分の決断を振り返る。やはりあのときリコールすべきだったのか?何によって?そもそも、自分の倫理観は自分が思っていたほど高くなかったのか?それとも自分の倫理観は会社に入って変わってしまったのだろうか?

ぶっちゃけ教授はファシリテート能力がいまいちなのと、自分の倫理観にこだわるような雰囲気もあってあまり評価できないのですが、上記のようにケースがどれも面白い。

とくにフォードのケースは示唆に富んでいる。倫理的な問題は、通常個人的な倫理と利益のジレンマ(トーレディングのケース)という形をとるのではない。多くの場合、組織の情報処理の型に従って判断していった結果、そもそも倫理的な問題だと気づかないのである。

この考え方は面白い。個人の倫理観とは無関係に、ある一定の効率的な情報処理を行った結果、非倫理的な判断をしてしまうことがありうるということです。自分が将来責任ある立場にたったとしても、このことは忘れないようにしたい。

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