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2009.12.03

”マーケティング”のお仕事

当初は課題をこなすのに精一杯であまりスピーカーズイベント系には参加しなかったのですが、授業もぼちぼち終了し(試験はあります!)、学校にも慣れてきたのでマーケティングクラブ主催、アメックスのイベントに参加してきた。

この手のイベントは職業紹介と会社紹介なのである。マーケティングクラブが主催しているので、当然マーケティング担当のディレクターがスピーチをする。内容としては、アメックスはUKではまだまだシェアが低いので、いかにブランドを確立するかに苦労しており、消費者調査を徹底的にやり、こんなキャンペーンをやって・・・、といったもの。

こっちに来る前に関わってきたことなので、感想としては「まぁ、どこもやってることはかわらんなぁ。」というもの。

個人的な考え方としては、事業戦略なくして「ブランド戦略」だけを切り出すのはナンセンスだと思う。しかし、多くの企業では”マーケティング”の部署が存在し、消費者の意識調査を行い、広告/メディア戦略を立案している。平たく言えば「広告部」が「ブランド戦略」を立案している。アメックスはどうやらこの形らしい。

ちなみに”ブランド”なる言葉は実に定義が曖昧だが、単に”イメージ”という言葉に置き換えると大体の場合あてはまる。

大抵の自動車会社にも「広告部/マーケティング部」が存在しており、別に珍しいことでもない。もちろん、「広告部」がなんでも好き勝手に決めていいということはもちろんなく、通常は事業部やR&Dの部署に「お伺い」をたてる。まぁ、この段階で「なんじゃその広告は」と摩擦が起こることもあるし、「よくわかんないからそれはそっちでやって」、と無視されることもあるし、「何か違う」というまさに不毛なフィードバックがくることもよくある。そしてそれに翻弄される広告代理店・・・。

一部の企業では、ブランドマネジャーという、事業責任者が存在する場合がある。通常彼(彼女)らの裁量の範囲は大きく、製品ラインの構築から、販路の管理、広告の管理まで行う。この場合はいわゆる「広告部」が存在しない。加えて、仮に組織構造がフラットであれば、製品定義から広告戦略まで、一貫したストーリーが作られる傾向がある。もちろん、だから売れるということでもないのが難しいところ。

しかし一方で、成熟した市場であればあるほど、機能的ベネフィットで差別化するのが難しく、情緒的ベネフィットが重要になる・・・要は「どれもほんとは大して変わんないんだけど、イメージで違う感じをだそう。」ということです。

例えば、実際にビールのブラインドテストをして、味の違いがわかる消費者は実はほとんどいない。それでも「俺はスーパードライが好きだ!」という消費者が多数存在するのはなぜか?それは長年の広告活動により、製品ごとにあるイメージが消費者の頭の中にできあがっているから。

もっとも、たとえ成熟商品であり、消費者の多くがイメージで選んでいるとしても、企業は製品開発に多大な努力をしています。ビールの例で言えば、水を替えたり、ホップを変えたり・・・。それによって、消費者はより「広告の物語」を信じやすくなるわけですね。しかししつこいようですが、ブラインドテストをするとやっぱり味の違いは分らない。

まぁ、そんなこんなで、実態が何も変わってないのに広告活動のみで「製品やサービスの違う面を強調してブランド力アップ」なんてほとんどの場合失敗に終わると思うんですよね。実際の仕事はそんな依頼ばっかでしたが。今日のアメックスのプレゼンをみて、ちょっと前までそんなことを考えていた、ということを思い出しました。

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