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2010.01.23

グーグルからのメッセージ

選択でとった会計の授業ですが、段々インド人の教授が飛ばし始めて面白い。

「諸君らはもちろんグーグルという会社を知っているだろう。このグーグルという会社の財務諸表は極めてエキサイティングだ。とくに上場後、2004~2006のキャッシュフロー表をみてみよう。

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このキャッシュフロー計算書からグーグルから投資家へのメッセージが読み取れる。」

「ここでグーグルがいっているのは、

投資家の皆さん、馬鹿でありがとう
"Thank you for stupid investors"

ということだ。グーグルは2004~2006の間に株式発行で8500億円もの現金を集めている。その使い道は、おもに有価証券の購入だ(ほぼ国債と地方債)。つまり、グーグルのしたことは『とくに明確な戦略はないけど、今株価が高いのでとりあえず株式を発行します。』ということにほかならない。」

「国債を買うなら、投資家は自分達で買えばいい。なぜ大金をわざわざ無策な企業に投資しなければならないんだ?恐らくグーグルは『将来のR&DやM&Aの手元資金確保のため。』と主張するだろう。

ところが、2004年および2005年に実際に積極的な投資活動をおこなっているわけではない。2年間も国債でキャッシュを寝かせとく意味は見出し難い。つまり、この2年間はお金を集めたはいいが、使い道が思い浮かばなかったのだ。」

「もちろん、将来実際にグーグルがR&DやM&Aに投資をして、その結果成長することは十分ありうる。だが、グーグルの本業はなんだ?サーチエンジンによる広告収入だろう。本業を拡大するための投資であればともかく、そうでなければ成功の確率が格段に下がる。つまり、これらは結果がでるかどうかわからない、リスキーな投資なのだ。」

なお、公平を期すために後日談を調べると、実際にはグーグルの株価は2004年と比較して現在6倍ぐらいになっているので、2004年のIPO時に買って今も持っている人たちはそれなりのリターンを得ている。

投資家からもらったお金は有効に使わなかったけど、本業でがっつり成長したので結果オーライ、というところか。だとしたら株式公開なんてしないで儲けたお金と、この先儲けるであろうお金を少ない株主で分け合ってればいいわけで、実は創業者達にとってもこれはうれしい結果ではない思う。

そして、この財務諸表が明らかになった2年後の2006年の1月に買った人のリターンは+20%程度。めんどくさいので算術平均をとれば年で5%。皮肉にも当時の国債を買うのとそれほど変わらない。もちろん去年の金融危機直後に売ってしまうとマイナスだ。

このインド人の教授ですが、「私の物言いは半分冗談だが、半分真実だ。」ということで、別にお馬鹿さん発言も100%本気で言っているわけではないそうです。それでも語り口が面白いし、授業の仕切りもなかなかなので、毎回授業の終わりは拍手です。

その後この現金がどうなったかというと、2006年に1000億円ぐらいを使ってタイムワーナーの株を買い、2007年にオンライン広告代理店のダブルクリックを3000億円キャッシュで買収しました。

いまやグーグルは営業活動で8000億近く、チャリンチャリン現金が入る会社になっているので、もはやIPO時に払い込まれたお金の使い道がどうというわけではないのですが、2008年は結構モノに設備投資してるみたいです。ITアセット(サーバーか?)とか、建物とか、土地とかに約5000億以上使ってますね。

まぁ、かのマイクロソフトもかつて手元に5兆を超えるまでキャッシュを溜め込んで、金が余って余ってしょうがない会社でしたが、2004年に配当でぶわぁーっと株主に還元しました(1986年に株式公開してから初)。グーグルも今は配当ゼロですが、極端な失敗をしない限り、いずれ溜まったキャッシュが配当で流れ出ることでしょう。10年以上後かもしんないけど。

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