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2010.05.22

ブラックショールズ式を考える

最近マクロ経済のエントリーが続きましたが、はっきりいってこれはビジネススクールの授業の中では傍流なんですね。今回はバリバリの本流である、選択科目のファイナンスの授業から、オプションの価格算定について紹介を。

Blackscholes

(Wiki:ブラックショールズ方程式より

で、もともと僕も「ブラックショールズ式」というものの名前は知っていましたが、難しそうなので関心をもちませんでした。ですが、いざ勉強すると背後にあるロジックはわりとシンプルです。

まず、オプション(これはコア科目の内容なのでMBA生はみんな勉強します)の仕組みのおさらいを。

  • A社の株が現在100円だったとします。
  • Xさんが3ヵ月後に110円以上、たとえば120円ぐらいにはなるだろうと予想したとします。でも、現金は5円しか持ってないので、株は買えません。
  • 一方Yさんは3ヵ月後も株価は100円のまま、あるいはもっと下がるかもと予測します。
  • このときXさんYさんに
    「手持ちの5円払うからさ、3ヵ月後にA社の株110円で売ってくんない?」
    ともちかけます。
  • Yさんは株価は110円になることはないと予想してますので、
    「いいよ。」
    と約束して5円を受け取ります。

これがオプション取引ですね。実際に3ヵ月後の株価が・・・

120円だったら、Xさんは「ほらほら、110円で売ってよ」と言えます。Yさんは約束してるので120円で株を買ってきて、110円でXさんに売らなければなりません(実際はめんどくさいので、Xさんの利益分、つまり10円のみをYさんが払うようです)。

100円だったら、Xさんは「げ、110円で買ってもしょうがないなぁ。」ということで、先に払った5円は諦めて、何もおこりません。

Option

で、問題となるのがこの「オプション」のお値段ですが、「5円がいいの?10円がいいの?15円がいいの?」というところを考えるのがブラックショールズ式ですね。1973年にブラックさんとショールズさんが発表して、その後ノーベル賞をもらいました。ちなみにこの二人はファンド経営にも乗り出しましたが、大損失を出して倒産してます。

で、式そのものの使い方は単純で、

・償還日(3ヵ月後?1年後?)

・金利(国債の金利とか)

・現在の株価

・行使株価?(Strike Price、訳語がわからない・・・)

・標準偏差(値動きの激しさ。平均値と比べてどれだけ株価が上下しているか)

を調べて式にぶち込むと計算してくれます。これだけわかってればいいような気もしますが、おもしろかったのでロジックのご紹介を。そもそもなんでブラックショールズ式が成り立つかというと、無裁定価格理論というものが背景にあるそうです。先の例に戻ると、

XさんがA社の株式投資をしたいとおもったら、オプション取引だけが方法ではありません。単純ですが、借金して株を買えばいいのです。で、借金をする金額と買う株式の量は色々組み合わせられます。95円借金して手持ち資金の5円と合わせ、100円1株を買うとか、195円借金し、5円足して2株買うとか。

で、このとき「オプション取引と全く同じ効果を持つ借金と株の組み合わせ」があるとします。もちろん、そういう組み合わせをつくるのに、Xさんはいくばくかの手持ち資金を使わなくてはならないでしょう。このとき、「オプションの価格」=「このポートフォリオを作るのに必要なお金」が成り立っているはずです。

ということで、このポートフォリオを作るのに必要な資金を数式で表し、そこからオプションの価格計算ができるそうです。そして、なぜ上の式(第1次熱伝導方程式とやらから導出されるらしい)になるんだ、というところはすいません理解できません。ただ、ストーリーとして面白かったのでご紹介いたしました。

ファイナンスの授業の中でもちょっとテクニカルな部分ですが、こういう授業もあります。MBAのアカデミック分野の基本は広く浅くなので、毎回毎回こんなことを勉強しているわけでもないのですが、授業内容伝わりましたでしょうか。

※1 分かりやすさ優先で金融用語をなるべく使わないようにしました
※2 一部説明はしょってます。例えばPut とか Callとか
※3 
素人意見ですのでどっか間違ってたら是非コメント欄で教えてください
※4 オプションの図を後で足しました。

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