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2010.08.01

MBA取得後

最近季節柄「MBA志望の人たち」によく会いますし、これから出国される方々にもよくお会いします。日本からいかれる方々は相当数の割合が「社費派遣」なので、あまり転職先に悩むことはないのでしょうが、私費の方々は当然次の職を常に頭に考えておられることと思います。

ビジネススクールは様々な捉え方ができると思いますが、「転職専門予備校」としての性格が大きなウェイトを占めていることは誰も否定できないでしょう。

でも、入ってみて思うのは「実は転職の選択肢はあんまり多くない」ということじゃないのか、とも思います。所詮3分の1は金融、3分の1はコンサルに行くわけですから、この2択以外のところをもとめようとしても、情報もコネクションも限られる、という印象を持ってます。

それでも欧米だと転職も一般的ですし、MBA後のキャリアパスが根付いているので、伝統的な大企業でも色々と選択肢はあります。ところが日本の普通の大企業だと、主要ポストに転職者を起用することはあまり一般的ではなく、そういう選択肢が全滅してしまいます(転職するだけなら可能でしょうが、わざわざ窓際族になってもしょうがない)。

といっても僕も古い企業にいた身ですから、アナクロニズムや閉鎖的な仲間意識のみによって転職者が冷遇されているとは思いません(それもあるでしょうけど)。もっとも大きな原因は、転職者には社内ネットワークが不足しているので新卒採用者に匹敵するだけのパフォーマンスを出すのが難しい、ということじゃないかと思ってます。

例えばある課題があったときに、社内のどのリソースを使えばいいか、ということが転職者には皆目検討がつかない。現在インフォーマルな人事情報がオープンにデータベースになっていて(広告会社だったら自動車会社何年担当、営業何年担当、関わったCMやキャンペーンのリスト、受賞内容、イベント実績云々かんぬん・・・)、さらにそういう他部署からの要請に対して協力することが評価されるようなシステムが整っていれば、転職者でももっと活躍できる可能性はありますし、採用にも積極的になっていくと思うんですが。

ちょっと話がそれましたが、そういう事情があるのでコンサル金融以外だと、非常に選択肢が限られて、いわゆるP&Gやマイクロソフトのような外資、あるいは楽天やアマゾン、グーグルみたいな新興企業しか選択肢がなくなってくるわけですね。

これは別にMBAの人たちの為だけに言っているわけではないのですが、日本の大企業ももっと社内リソース(主に人材)を活用できるようなシステムや体制を整えれば、ひいては社外の優秀な人を取り込むことにもつながりますし、新規事業の育成や収益性の改善、人材配置の適正化など、閉塞感が多少打破できるのではないかと思うのですが、どうでしょうか(例えばリクルートの社内公募システムとか、話を聞く限り結構進んでるし、ちゃんと機能していそう)。

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コメント

おっしゃるとおりですね。私は昨年ビジネススクールを卒業して日本に帰国しましたが、元々社内派遣であった為、勤め先に戻りましたが、それでも、やはり同様のことは感じます。

もう少しMBA卒生だけでなく、社内全般のリソースの活かし方を大企業だけでなく、日本企業は考えた方がいいと思います。そうじゃないと、MBA卒の人がその会社に入社、もしくは、戻ってきても、折角の人材が、、、宝の持ち腐れ状態なんです。

ただ、、、まだ古い日本の特に大手企業なんかはそういった課題に根本から気付いて対応するまでには時間がかかりそうですけどね。トップ自らそういった人材の重要性をキチッと認識する必要があると思います。

LBSでのMBA留学を是非満喫してくださいね!

投稿: HERO | 2010.08.01 22時32分

どうもありがとうございます。

トップがその気になるかどうかがキモなのはおっしゃるとおりです。どうも日本企業の経営者は憚りながら、発想が小役人主義のような気がします。自分の部署の業績とか、自分の親分子分の人間関係とか。

人間なので自分の利益を追求するのは結構ですし、間違っているとはいいませんが、もっと視点を大きく持って、そもそも自分の会社にどんな価値があるのか、どういう社会貢献をしているのか、どうやったらよりよいサービスが社会に提供できるのか、その結果会社が成長できるのか、どうやったら社員が幸せになるか、そういうことを軸にして仕事をしたほうが自分も部下も楽しいと思うんですよね。

人材が一番の資産だとはどの会社もいうのですが、その割にはメンテナンスに多大なる投資(別に給料あげろという意味ではない)をしている、という話があまり聞こえてこないのが悲しいところです。僕の世間が狭いだけかもしれませんけど。

投稿: Shuji | 2010.08.01 22時58分

初めまして、QSの越川と申します。
コメント失礼させていただきます。
ブログ、楽しく拝見させていただきました。

私は現在、ロンドンにあります教育サービスの企業にてアジア市場のマーケティング担当グループにてインターンをしております。(+語学留学で渡英しました)
渡英前には広告会社にて勤務していたこともあり、shujiさんのブログは特に勉強になります。

9月、11月のMBA・大学院を目指す人のための世界最大イベント「World MBA Tour」「World Grad School Tour」の開催にあたって、是非、shujiさんのブログにて告知のご協力いただけませんでしょうか。
受験者にとっては直接アドミッションと接する絶好のチャンスであり、ネットワーク拡大とともに受験に向けてモチベーションを最大化させる良い機会にしてもらえると思っております。
宜しければ以下のテキストを告知していただきたく宜しくお願い申し上げます。
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【QS World MBA Tour Premium】
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【日時】 2010年9月9日(木曜日) 午後5時~午後9時
【会場】 シェラトン都ホテル 〒108-8640 東京都港区白金台1-1-50
http://www.miyakohotels.ne.jp/tokyo/access/index.html
【費用】 下記事前登録で入場無料 (当日入場の場合500円)
http://www.topmba.com/mba-tour/Tokyo-premium?&utm_source=reg&utm_medium=online&utm_campaign=StudentBlog
【Facebook】 http://www.facebook.com/pages/TOP-MBAGrad-School-Japan/122556411124793 
【Twitter】 http://twitter.com/QS_AsiaPacific 
 ─────────────────────────────────
【主催:QS Quacquarelli Symonds Ltd.】
http://www.topmba.com/
QS社は高等教育に関するイベントやランキング情報等を通じて人と教育機関と企業を結ぶ活動を行っています。
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【QS ワールドMBAツアーとは】
世界のトップビジネススクール入学審査官らが、東京含むアジア、北米、ヨーロッパを世界最大規模で全52都市を巡回する予定で、日本開催は今年で8回目になります。数百名のMBAを目指す方々の参加が見込まれ、ブースに立つ卒業生や出願者同士のコミュニケーションも大きな魅力です。プログラム内容や卒業後の就職案内など情報入手のチャンスです。当日ブースで会話した学校関係者が、選考プロセスにて実際のインタビュアーや審査官であることは珍しくありません。是非ご参加ください。
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【当日のタイムテーブル】
16:00-17:00 入学審査官によるパネルディスカッション「MBA合格をつかむキーポイント」
17:00-18:00 トップ校プレゼンテーション
18:00-19:30 トップ校入学審査官との座談会(参加者は要事前選考)
19:30-21:00 オープンフェア
20:00-20:45 企業採用担当によるディスカッション「MBA卒業後のキャリア形成について」
 ─────────────────────────────────
【参加予定校(一部)】
INSEAD、IE、ESADE、IMD、LBS、Michigan、Boston University他
★事前登録はこちらから★
http://www.topmba.com/mba-tour/Tokyo-premium?&utm_source=reg&utm_medium=online&utm_campaign=StudentBlog

投稿: 越川 | 2010.08.23 23時59分

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