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2010.09.30

英語の発音について

今回はMBA2年目が始まるに当たって、久しぶりに英語について少々。

MBA受験生の用語で「海外経験なし」の人を純ドメ(=純粋ドメスティック)というらしいのですが、まさしく私こそが”純粋な純ドメ”。英語が留学中にどれくらい上達するのか知りたくて、MBA帰りの人に色々と情報収集したところだと、2年じゃ全然上達しないよ、というつれないお言葉。

なお、この間LBSの2年生は「読み、書き、ヒアリングはある程度上達したかもしれないけど、話すのは全然上達しなかった」というありがたいセリフを残して帰国していきました。ここら辺の事情はこちらのエントリーもご参照。

ではどうやったらしゃべるのを上達させられるのか?

まず始めにジャパニーズアクセントだと文法的に正しくても通じないというのが明らかでしたので(店員に何度も「はぁ?」という顔をされる屈辱)、Jinglesという発音矯正サービスを始めました。スカプレッスンで30分5000円。安くはないのですが、1年間続けた今となっては効果があったと断言してもいいでしょう

公平を期するために正直に述べますと、サイトの宣伝文句はやや大げさという気がします。プログラムを受講しても、間違いなくそんなにすぐには上達しないです。最低でも半年は、とにかく地道に地道にひたすら練習。でも変化無し。お金も結構出ていきます。1年目の終わりぐらいになってようやく、「なんか最近うまくなったかな?」という気がしてきます。

僕の場合はブレイクスルーがなぜか帰国中にあったらしく、3ヶ月間全く英語を使わず、練習もしてない割には戻ったときに結構上達してたそうです。おかげさまで、ここ最近は発音が原因で聞き返されることはほとんどなくなりました。

なお、発音が上達してくると、頭の中で「うまく発音しなきゃ」ということを意識しなくてすみまして、これは実際にコミュニケーションをとるときに結構大きなファクターです。その分、文法、単語の選択、話のコンテンツを考えるのに頭の力を使えますから、話が続くようになってきます。もちろん理想は話のコンテンツだけを考えることです。

なにより、「言ってもわかってもらえないかも」というプレッシャーが除去されますので話すのが段々楽しくなってきます。ノンネイティブとの交流は(インド人含め)あまり問題がなくなったのですが、ネイティブに早口や小声で何か言われると今でも細かいところがよくわかりません。2年目の課題はリスニングの強化と語彙の強化ですね・・・。

ちなみに語学の習得は個人差が大きく、あくまでこれは個人的な経験です。よく言われるように効果がなかったらJinglesのせい、効果があったら僕がきっかけをつくったということで、ひとつよろしくお願いします。

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2010.09.28

チェコの食とエンターテイメント

間に一回LBSの学校説明会の告知が入りましたが、チェコ旅行の最終回です。当然のようにまずは食から。

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まずチェコといえばビールでしょう。国民一人あたりのビールの消費量が世界一なんだとか。たしかに、イギリスの水っぽいビールとは違ってコクがありおいしい。もっとも、僕はあまり飲めないので500mlとか出されても消費しきれないのですが。ちなみに、ミネラルウォーターより安いです。

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そして、チェコの赴任者にいわせれば「チェコ料理は肉!」ということらしいのですが、別に肉がおいしいという意味ではなくて、肉しか出てこないという意味のようです。率直に言えば、アングロサクソン-スラブ系の料理はどれもあんまりおいしくない。イギリスしかり、アメリカしかり・・・、なんか大味なんですよね。メニューがドイツにそっくり。近いから当たり前ですけど。

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ということで、夜は広場の屋台でお菓子を買い、これが思いのほかおいしかったのでさらにBBQ風のでっかい焼き鳥(たまねぎ、パプリカ付)を買ってほおばりました。数年前にミュンヘンでソーセージを食べたときも思ったのですが、ちゃんとしたレストランより屋台で食べた方がおいしい。もっともただ単に自分が貧乏性なのかもしれません。

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チェコでは初オペラを体験しました。安い席だったら250円からありまして、僕が買ったのは500円ととにかく安い!(その代わり息切れするぐらい階段登りましたが)オペラといえば、我が家では父親が日曜の朝からがんがん鳴らす、安眠妨害というイメージしかなかったのですが、劇や古代ミュージカルとしてみると、これが結構面白い。

この劇場では英語の字幕もついてたので、ストーリーもわかって楽しめました。ついでにオペラグラスが必要な理由もよくわかりました。

プラハは音楽の都としても有名らしく、オペラだけでなくたいていの教会でクラシックコンサートが開かれていました。どれもお手ごろな値段なので、音楽好きにはたまらない街でしょう・・・たぶん。ちなみに、ロンドンにもロイヤルオペラハウスが徒歩圏内にあるので、こんど行ってみます!

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2010.09.25

LBSの学校説明会

尖閣諸島の結末びっくりですね。このブログでは、感情的にネガティブな見解はできるだけ書かないにしているのですが、さすがに日本人として情けないです。さて、それはそれとして我がLondon Business Schoolが今年も東京で学校説明会を開催します。

Tokyo Information Session:
Thursday 30th September 2010, 18.30 - 21.00
The New Otani 4-1 Kioi-cho, Chiyoda-ku Tokyo 102-8578
Registration details can be found here:
http://www.london.edu/programmes/infoevents/do?progSelect=MBA&locationSelect=

僕自身は今回の留学で得るものが本当に多く、来てよかったと心から思っています。

MBA教育そのものももちろん悪くないですが、ある一定レベル以上のビジネススクールであればあまり学ぶ内容に変わりはないでしょう。しかし、ありきたりですがLBSの国際性はアメリカのスクールとは(たぶん)比較になりませんし、ロンドンの立地のよさは就職面でも遊び面でも頭ひとつ抜けていると思います。

残念ながらブランドネームや卒業生のネットワークという点ではハーバードやスタンフォードにまだ適いませんが、もし「アメリカ一辺倒ではなく多様な考え方に触れたい」「ノンアカデミックも充実させたい」という考え方をおもちなら、間違いなく一押しの学校です。

この手の学校説明会はどこも似たようなものなので、各校の違いがわかりにくいかもしれません。もしさらに突っ込んでお聞きになりたいことがありましたら、ご遠慮なくLBSの日本語非公式サイトか、私までご連絡ください。よろしく御検討のほどを。

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2010.09.24

テレジーン(Terezin)の影

チェコは15世紀以降ほぼ他国の支配下にあったわけですが、近年で最も大きな影を落とした出来事といえば、間違いなく第2次世界大戦のドイツ占領でしょう。チェコで最も有名なユダヤ人強制収容所といえば、テレジーンです。

テレジーンは中継収容所として使用され、総計14万人以上が連行されました。そのうち3万3000人以上がここで死亡し、8万8000人はここからさらに別の場所へ移送されていきました。

また、テレジーンの街自体とは別に近くに刑務所(小要塞と呼ばれている)があり、こちらには主にチェコの政治犯(民族運動家など)が収容されていたそうです。

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(”小要塞”最寄バス停、ご覧の通りプラハから1時間ほど離れたのどかな田舎町)

僕が今回メインで訪れたのはこの刑務所のほうで、累計3万人以上が収容され、2000人以上が裁判無しで銃殺されていきました。

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(刑務所の前には国民墓地にはこの街でなくなった1万人が埋葬されている)

そしてこれが小要塞の入り口付近。かの悪名高い「働けば自由になれる」の文言。アウシュビッツと同じです。

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そしてこちらが監房。100人以上がつめこまれ、衛生状態も非常に悪く、もちろん囚人には満足な食事が与えられず、チフスで亡くなった人たちが多かったそうです。

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なお、興味深いことに収容所内には理髪室などがありました。これは赤十字が視察に訪れたときにナチスが衛生状態に配慮している、ということをアピールするためだったそうです。やはり、事実を隠蔽しようとするのは非民主的政府の万国共通の特徴のようです。

この収容所内には看守の家族も住んでいました。瀟洒な庭付き官舎があり、「防火用」と称してプールもありました。ところがプールのすぐ裏には処刑場があり、囚人達はプールの横を通って、処刑場に連行されていったのです。

ここを訪れ、改めて人間倫理の脆さについて考えざるをえませんでした。想像ですが、囚人たちを虐殺した看守も家では良き夫であり、良き家族だったのでしょう。大戦期にユダヤ人の絶滅を支持したドイツ人(あるいはアジアを侵略した日本人)は現在に比べて倫理的に激しく堕落していたのでしょうか?恐らくそうではないでしょう。

しかし、人間に備わっている個人的な倫理観は、あるシステムに組み込まれるとそもそも反応しなくなることがあるのです。組織のロジックやシステム上要求される判断だけを”効率的”に行い、それ以外のことを普通は考えません(関連するエントリーはこちら)。どんなにすばらしい道徳教育を受けたとしても、意識しなければ発揮しようもありません。

大事なことは「人間とはそういう存在」であり、誰にでも、僕にも今ブログを読んでいるあなたも、非人道的な判断をくだす可能性があると認めることだと思います。そしてそれを防止するための方策を考えなければなりません。

現時点では、「定期的に外部視点からチェックすることが必要」だと考えています。このように戦争犯罪の施設を訪れることも必要でしょう。自分と異なる組織、団体、あるいは国に属する人と、価値判断や仕事について話すことも効果的かもしれません。

蛇足ですが、ビジネス的な観点からすれば人事部が「わが社はコンプライアンスを尊重します」と呪文のように唱えてもあまり意味はなく、具体的な企業不祥事のケースを社員が勉強したり、第三者から潜在的な問題点や、意思決定のプロセス(個人判断に依存してないか)をチェックしてもらう、などが必要なのかなとも思いました。

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2010.09.23

念願のプラハへ

先週末を利用して行ってきました。念願のプラハへ。

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10年ほど前、まだ大学生でアメリカに行ったときに、とある日本人会計士夫婦と仲良くなりました。その際に「プラハは社会主義時代の痕跡がまだ残っている、美しい不思議な街だよ」と聞き、その言葉がいつまでも頭に残り、いつか行きたいと思っていたのです。ずいぶんと遅くなってしまいましたが今回訪れることができました。

プラハは中世後期、14世紀にボヘミア王国のカレル4世が神聖ローマ帝国の皇帝になったときに最盛期を迎えます。一時期はヨーロッパ最大の都市となり、「黄金のプラハ」と称されました。しかしその後ハプスブルグ家の支配を受け、30年戦争をきっかけにチェコ人はドイツ系の弾圧を受け、プラハは衰退していきます。チェコが独立を回復したのは1918年になってからでした。

第2次大戦後は共産圏に組み込まれ、プラハの春などの改革運動がおこるものの、ワルシャワ条約機構軍の侵攻を受けて挫折し、ようやく民主化を達成したのは1989年でした。

近年EUに加盟してからは、安い労働力を求めて先進国の多国籍企業が競って工場を建設しました。そのおかげで、中欧のなかでは他国一歩先んじて発展を遂げており、今まさに豊かさの階段を上っているところです。確かに中世の雰囲気と、共産主義と、資本主義がまざった不思議な国でした。

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こんなに美しい教会があるにも関わらず(元カトリック国)、国民の約60%は無神論者(共産主義は宗教を否定)です。なんだかんだいってヨーロッパ人はキリスト教徒、という印象を持っている僕からすると、妙な気分です。ほんの15分も電車にのれば、ご覧の通りいかにも「旧共産圏」のような、無機的でうら寂しい光景が広がっています。

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しかし近年の発展のおかげで、中心部には欧米の有名ブランドが軒を連ねております。この先もチェコという国は豊かになり、インフラ投資も行われ、あと10年か20年もすればパリやロンドンのような「普通のヨーロッパの街」になっていくのでしょう。

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2010.09.19

”円高対策”とは何か

さて、前回のエントリーでみてみたように僕は「各国の物価変動の差を考慮すると、現在が異常な円高とはいえない」と考えています。しかし、名目為替レートが円高にふれれば、輸出産業に打撃を与えるのは事実です。

では、日本政府は今何をすべきなのでしょうか?マスメディアは「円高対策を!景気対策を!」と声高に叫びますが、具体的に何をやればいいのかについては何も言いません。菅首相も「円高には断固たる措置」といっておりましたが、措置の内容はこれまた明らかではありません。もっとも彼らは専門の教育を受けているわけでもないので、そこまで求めるのは酷かもしれません。

僕も所詮は一介の学生なのであまり偉そうなことはいえませんが、敢えて言わせていただければ本質的な円高対策とは生産性を高めること、だと思うのです。

生産性が高い、とはいかなる状況でしょうか。具体例をあげると、他国で車を1台作るのに20人必要なところ、日本だと5人で済む。あるいは他国では車を1台を組み立てるのに1日かかるが日本だと1時間で済む。安価で良質なものが作れるということが、生産性が高いということです。

生産性が高ければ円高になっても価格を低く抑えることができ、価格競争力を維持できます。こうして獲得された価格競争力には、為替操作と違って諸外国も文句のつけようがありません(論理的には)。人類が数千年前に単純狩猟社会を脱したときから、生産性向上こそが本質的な富の源泉であり、それは現在でも変っていません。

そもそも歴史的にみれば為替相場を人為的に操作しようという試みは全て失敗してきました。戦前の金本位制度による固定レートしかり、1992年のジョージソロスに対するイギリス政府のポンド防衛しかり・・・。為替レートそのものを操作しようという意識は捨て去るべきかと思われます。

たとえが適切かは自信がないですが、「円高が問題だ」というのは、「猛暑が問題だ」といっているのと同種のような気がします。猛暑が問題なのは事実ですが、だからといって「じゃあ気温を下げよう」という発想にはならないはずです。通常は猛暑を所与として、かつては団扇をあおぎましたし、技術の進んだ今はクーラーを買うなりの対応を考えます。

円高も同じだと思うのです。円高は確かに輸出企業にとっては猛暑のようにつらい環境です。ですが、為替レートそのものを操作できないか、という発想はナンセンスだと思います。円高を所与としたときに何をすればいいのか、今はどのような投資が必要なのか、という発想の方が有意義でしょう。

では生産性を高めるにはどうしたらいいのでしょうか。特別な方法はありませんので、当たり前のことをすればいいはずです。人的資源に投資(教育投資)をし、設備投資をして古い機械を更新します。適切な規制緩和を行って競争を促進し、JALのような非効率な企業は速やかに市場から退場していただきます。そうすれば生産性は高まっていくでしょう。

ということで、”市場の失敗に対応するための例外的な為替介入”は否定しませんが、日本政府も「所詮小手先の為替操作は意味がないし、そもそも不可能なのだ」と断言して、生産性の向上にまい進する、という方向にいってくれればなぁと思うのです。

一学生の繰言かもしれませんが、遠くイギリスでそんなことを考えました。

P.S.ちなみに猛暑になれば売上があがる産業があるように、円高になれば原油に代表される輸入品が安く購入でき、恩恵を受ける部分もあるのです。そう考えればますます”円高”を過剰に問題視すべきでないのではないか・・・、と思います。

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2010.09.17

本当に円高か?

タイトルをみた方から、「何を馬鹿なことをいっているんだ。1ドル80円台前半がどうして円高じゃないんだ」とご意見をいただきそうですが、今の日本の報道論調があまりにも”円高悪玉論”に偏っているので、改めて自分で考えるべきではないかと思いました。

まず、長期的な為替トレンドをみてみましょう(出所:日銀)。

Presentation1 

これは円-ドルのレートです。長期的には円高になっているようにみえます。とくに、直近5年ぐらいは。ただ、長期でみてみると1985年のプラザ合意の為替レートが激しく上昇しておりますが、ここ20年ぐらいはあんまり変ってないようにもみえます。

しかし、この名目レートでは物価変動が考慮されていませんので注意が必要です。たとえば、以下のような状況を想定してみましょう。日本が激しいデフレになり、全く同じ車の値段が

100万円⇒90万円⇒80万円⇒70万円

と毎年急激に下がっていったとします。この間もし名目為替レートが全く変らなかったらどうなるでしょうか?日本の車がバンバン値段が下がることになりますから、”実質的に円安”ともいえます。

もちろん実際にはこんなことは起こらなくて、物価変動に合わせて為替レートが変動し、調整が行われます。ここのポイントは、名目為替レートだけみても本当に円安か円高かは分からない、ということです。

ということで、日銀が実質為替レートというものを計算してくれていますので、そちらをみてみましょう。この実質為替レートは貿易量に応じて色々な国の通貨レートを加重平均し、インフレ率の差まで調整して指数化した優れものです。

Presentation2

どうでしょうか。この10年ぐらい、他の国はインフレでしたが日本はデフレだったので、名目為替レートがやや円高傾向にあるようにみえても、実質的には急激に円安にふれていたんですね(別の見方をすると失われた20年で日本の購買力が下がった)。

そういう視点でみてみると、確かにここ3年ぐらいで考えると円高です。景気動向などは短期的に判断されるものですから、巷の円高という実感は正しいでしょう。しかし、5年前の水準に戻ったともいえます。20年スパンでみると、まぁこんなもんじゃない?ともいえそうです。

結論としては、過剰な円高ではないと思います。このレベルでは各国との協調介入など望むべくもないでしょう。

最後に蛇足ですが、今回の為替介入は政治的パフォーマンスに過ぎず、実体経済にはほとんど影響を与えないのではないか、という個人的印象をぬぐえません。そもそも、長期的には為替レートはその国のファンディメンタルズ(基礎的条件⇒人口、技術レベル、自然条件等)で決定され、人為的に操作できるものではありません(国際協調と国内物価安定を無視している中国は例外)。

上記の図でみると、たとえば1995年頃のようにバブル経済の後遺症で明らかにファンディメンタルズと乖離した円高水準にある場合には介入も意味があるでしょうが、今回がそのケースかというと、そうではないと思います。

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2010.09.16

日本の為替介入は英国でもニュース

民主党の選挙はなんのニュースにもなっていませんが、為替介入についてはBBCでもトップニュースです。おおまかな論調としては、

「日本が単独の為替介入に踏み切りました。今後アジア諸国が自国の輸出条件を有利にするために追随することが懸念されます」

という形です。ちなみにセットで必ず中国が取り上げられております。中国が為替操作国というのは共通認識ですね。こちらは日本とは逆に「国際的な批判に耐えかねて、多少の元上昇を当局が容認している」という報道になっています。

なお、キャスターのコメントでちょっとわらっちゃったのが、

「しかし、日本はなぜこの時期に為替介入に踏み切ったのでしょうか。10年前と比べれば日本の経済状況は改善してますし、製造業は工場の海外移転を進めているためにかつてほど為替の重要性は薄れているはずですが」

たしかにごもっともな疑問。

10年前と比べると現政権の支持基盤が脆弱なためにパフォーマンスが必要であった、という国内事情までは分析し切れなかったようです。

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2010.09.13

ちょっと不便なロンドン

昨日ロンドンに戻ってきました。3ヶ月ぶりとはいえ、初めてRussel Square(最寄駅)に降りたときは、1年前にこの駅でおりた瞬間を思い出しました。緊張と期待感が混じったなんともいえない気分。いいもんですね。5分でその気持ちは消えましたけど。

ちなみに、ヒースロー空港を出て地下鉄(家の前まで一本!)に乗ろうと思ったら、「本日は運行しておりません」という無情な張り紙。そういやそういう国だった・・・。

ということで、高いお金を払って、家に着くのが早くなるわけでもないヒースローエクスプレスに乗り、片手に30kg(ほとんど和食系のインスタント食品)のトランクを抱えながら、長い階段をえっちらおっちら何度も登りくだりする羽目になりました。東京の都心にいると、バリアフリーが進んでいて絶対にエレベーターorエスカレーターがあるから、こんな苦労しなくてすむのに・・・、と普段気づかない東京の何気ないすばらしさを再確認。

なお、東京からくるとロンドンは寒いです。今年の東京はめちゃめちゃ残暑が厳しかったのですが、こちらは例年通り20度ぐらいが最高気温で、夜は15度ぐらいまで下がります。くしゃみがとまらないので、思わずポケットティッシュを買おうと思っても、薬局は日曜日だと17時でしまっちゃう。

東京にいるとロンドンが恋しくなりましたが、やっぱ東京の方が細々と便利だなと思った初日でした。

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2010.09.12

海外で働くことへの関心

過去の海外で働くことに関するエントリー(こちらこちら)にも述べましたが、僕は海外での就労に関してはニュートラル。いいとも悪いとも思わないし、メリットデメリットを個人の嗜好から判断すればいいと思っています。

でも、ひとりの日本人としては、是非海外で一人でも多くの日本人が活躍して欲しいと素朴に願っています。そういう意識をもっているので、さっきみつけた読売新聞の記事はちょっとお粗末だなぁと思うのです。


海外就労「関心なし」77%…内閣府調査
海外で働くことに関心がある日本人は2割にとどまり、20歳代の若者でも4割に過ぎないことが、内閣府の世論調査で分かった。(下線引用者、原文こちら


この記者(というか経済産業省?)には、「日本経済が地盤沈下しているなかで、国民の意識も内向きになり、かつてのような世界市場と戦おうという気概がなくなりつつある」というストーリーを作ろうという意思がみえるのですが、

そもそも日本で働いている40代、50代の人に普通に聞いてみたら、英語ができるわけでもない、海外にコネクションがあるわけでもない、というのが通常でしょうから、関心がないに決まってます。それをとりたててネガティブにとりあげるのはどうかと。

個人的にはこうヘッドラインをつくって欲しかったです。


20代の4割が海外就労に関心
内閣府の世論調査によると、海外就労に関心がある率は若年者ほど高まり、20代では4割に達することが分かった。


そもそもどの事実をどう取り上げるか、さらにそれをどう解釈するかということが、ジャーナリズムの根幹だと思うんです。この件に関してみれば、20代の4割も海外就労に関心があるというのは、すごい数字だと、希望をもてる数字だと思うんですよね。僕の解釈ですが。

そういう若者の希望なり野望なりを後押しする制度がぜひ欲しいものです。

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2010.09.11

白洲次郎に思いをはせる

いよいよ明日イギリスに帰るのですが、今日前々からいってみたかった白洲邸(武相荘)によってみました。

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(実家より車で15分。入場料1000円と高い!)

白洲次郎は最近ではずいぶん有名になったので、ご存知の方々も多いと思うのですが、戦後占領期に吉田茂のブレーンとして活躍し、日本国憲法のGHQ草案和訳、経済産業省の設立にかかわり、東北電力の会長を勤めた人物です。

非常に気骨のある人物として知られており、GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめたとか。いつぐらいから白洲次郎に興味をもったのかは定かではないですが、同じイギリスに留学した身としてなんとなく気にはなる存在でした。

彼を特徴付ける言葉が「プリンシパル(Principal)」です。何せ「プリンシパルのない日本人」といった本をのこしているぐらいですから。プリンシパルは”原則””信念”といったもので、日本語で言えば「筋を通す」というニュアンスに近いと彼は述べています。

確かに彼はあいまいな言い方を嫌い、ケンブリッジに留学しただけあって欧米スタイルの、スタンスをはっきりさせた議論を好むようです。

「私が政府であったら、国民にいうだろう。安保を廃止して自分のふところ勘定で防備をすれば、いくらかかる。この費用は当然国民の税金から出てくるのだから、国民の所得税は○○%増加、物品税は○○%増加、云々と。

なぜもっと具体的に数字で、というより、自分で防備をやったらいくら税金が増えると国民に説明しないのか。税金がふえて、我々の生活が今よりぐっと苦しくなっても、なお外国の軍隊を国内に駐留させるよりもいいのが国民の総意なら、安保など解消すべし。安保の賛成派も反対派もヒステリー女の喧嘩みたいな議論はやめるべしと私は思う。」

普天間問題でこれほど迷走している現代人にも耳が痛い意見です。

他にも彼は

「永続性のないことはしないほうがよい。しても無駄だから。」

「予算案と予算関連事項に関しては参議院の審議権を認めないこと。」

「それよりもっと根本のところを考えてもらいたい。どうして衆議院だ参議院だあんなにたくさんの議員がいるのか。どうしても二院制でなければならないのか。衆議院一院制ではだめなのか。」

「率直に言うと補助金がなくてやっていけぬような産業はこの際思い切ってやめるがよい。国家の経済環境はそれほど貧困なのだから。」

などなど、歯に衣着せぬ言説を残しており、色々と現代にも当てはまるので面白いです。

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2010.09.04

正義と同性愛

欧米に住んでいたら、同性愛の問題は日本よりもはるかに身近なトピックスです。どこのビジネススクールでも恐らく「ゲイ・レズビアンクラブ」に類するものがあり、当然ながらカミングアウトしていている人も珍しくありません。

そんな感じで日本よりははるかに市民権を得ていると思われる同性愛ですが、これが婚姻制度にいたりますと、まだ統一的な合意には至ってないようです。「同性婚も認められるべき」という問題提起には反対意見も根強いのです。

はじめてこの問題について意見を聞かれたときは正直「へ?」という感じだったのですが、欧米では一大テーマ。アメリカのいくつかの州では法制度として認証されております。イギリスはNGですね。

で、最近読んだ本でこの問題が取り上げられていました。ちなみにこの本が本屋で平積みされているのを見つけたときは「こんな小難しいテーマの本が売れるのか」とびっくりしました。

51nj6ccpebl_ss400__3 これからの「正義」の話をしよう マイケルサンデル

内容は多岐にわたるので実際に読んでいただくのが一番なのですが、例えば仮に

「同性婚は認められてしかるべきだ。なぜなら・・・

  1. 同性愛者であっても法の元には平等であるべき。同性愛者の結婚を認めないのは不当な差別
  2. 「同性愛者は子供を作れず社会に貢献できない」という反論もあるが、そもそも生殖能力は婚姻の必要条件ではないし、子供がいない夫婦はごまんといる
  3. 宗教的立場からの反論も考えられるが、政教分離の原則の下、特定の道徳観を国家が押し付けるべきではない」

という主張があったとしましょう。個人の自由を最大限尊重する意見です。ただ、筆者はこの議論を突き詰めると

「一夫多妻制や一妻多夫制を否定することは難しい」

ということになり、論理的帰結として「国家が婚姻を認証する」という法制度そのものを放棄することに等しくなるのではないか、と主張しています。

しかし普通に考えると一夫多妻制はやはり受け入れがたいと考える人が大部分でしょうから、”正義”をその人が「属する社会の道徳観念」から切り離すのは不可能なのだ、と筆者は主張しています。

別の言葉で言えば、ある種の問題に関しては、特定の道徳観を法制度の形で国家が”押し付ける”ことも可なり、ということですね。もちろん個人の自由が最大限尊重される、という留保をつけてますが(ここの説明にはあまりスペースが割かれていませんでした)。



一見日常生活をおくる分にはあまり役に立たなさそうに見える議論ですが、こういったことを”考える力”が、実は普段の生活においても、ビジネスにおいても背骨のような役割を果たし、日々の判断に影響を与えているように思えるのです。

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