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2010.10.31

アジア人は貯金するな

とはFRB議長のベンバーナンキの言葉。一瞬正気かと疑うような発言ですが、教授に言わせれば「めちゃめちゃシリアス」とのことです。

Saving4collegetoolate

アメリカの貿易赤字は常に大きな政治問題として取り上げられてきました、古くは1980年代の日米貿易摩擦、最近ではもちろん対中国の貿易赤字です。

しかしそもそもなぜ、アメリカは貿易赤字になるのでしょうか?「中国がダンピングしているからだ!中国が悪い!」というのがアメリカ政治家のコンセンサスのようですが、本当でしょうか?

貿易赤字を理解するのに欠かせないのが、「貯蓄」と「投資」の関係です。皆さんが働いて得たお金は、通常使わなかった分が「貯金」されます。でも、銀行は皆さんから預かったお金をただ持っているだけだと、利子を払う分損してしまいますから企業に貸します。当然企業がお金を借りるのは「投資」するためです。

しかし、日本のようにもう投資機会が少ない国だとどうなるのでしょうか?自然に「外国に貸す」という選択肢となります。もちろん、世の中にはバンバン消費したい、という国もあります。すなわちアメリカです。アメリカは世界中からお金を借りて消費にまわしています。

さてここで、冒頭にもどります。つまり、「アメリカの貿易赤字が膨らむのはアジア人がお金を使わないからだ」となるわけですね。実際に中国人は平均して稼いだお金の4割を貯金しています。恐るべき数字です。確かに中国人がもっとモノを買うようになれば、恐らくアメリカの貿易赤字にもなんらかの影響がでるでしょう。

しかし、冷静に考えればどちらが原因なのかは一概に特定できないことがわかるでしょう。アメリカの貿易赤字は「アメリカ人が消費しすぎるせい」なのか「アジア人が消費しないせい」なのか。はたまた「中国の輸出品が安すぎるせい」なのか。

確かなことはアメリカが世界中から借りているお金はいずれ返さなければならないということです。突然そのような事態になれば、恐らくドルは暴落するでしょう。このように特定の国に債務や債権が偏ることは不安定化の要因とされ、確たる対処法はないものの非常に懸念されています。

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おまけ: 面白かったコロケーション(特定の語のつながり)

deadly serious めちゃめちゃシリアス

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2010.10.29

間違わなかった人へ

MBAは人生で”間違わなかった人”が行くところです。努力して勉強をし、いい大学を出て、いい職につき、高い給料をもらう。ついでに高額の納税もする。GDPをあげているのは生産性の高い我々である。一体全体どこが間違っているのでしょう?

では、次のビデオをみてみましょう。


日本語の字幕はSubtitleをクリックしてください

素晴らしいビデオなので、見ていただければ僕が付け加えることはあまりないのですが、最も記憶に残ったのは次のフレーズです。

間違っていることは創造的であるということとイコールではないが、間違いを許容しない限り独創性はうまれない

※そういえば、MBA出身で歴史に残るような創造性のあることをした人っているのかな・・・。ま、何事も役割分担。MBA教育に代表される管理者能力も世の中には必要だと思います。

大学時代に頭だけあれば後は生命維持装置でいいといっていた”知り合い”がいましたね。

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おまけ:

If you are not prepared to be wrong, you'll never come up with anything original.

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2010.10.26

クルーグマンの反論

ヨーロッパは歳出カットにひた走ってますが、それに対しては批判的な意見も当然あります(今日はストライキのことじゃないです)。

Images

日本でも有名なクルーグマン(ノーベル経済学賞受賞)も批判的な一人です。彼のコラムでは”Fiscal Obsessions(財政原理主義とでも訳すんでしょうか?)”の回で、「バンカーやエコノミストは財政赤字をたたくことがただ好きなだけで、本当の問題-流動性のわなや影の銀行システム-が分かってない」と批判してます。

さらにその次のコラムでは「もし財政赤字を積み上げた結果不況から脱した例を挙げてみろといわれれば・・・、多分みなさんもご存知だろう、アメリカだ」と続きます。

Debtdepressionwar
10月25日のNYTのコラムより

ううむ、なるほど。確かにアメリカが大恐慌から脱したのは第二次世界大戦のおかげとはよくいわれるところです。このときに膨大な国債を発行して、それが図らずも不況を脱するきっかけになりました。

しかし、一方でどんどんお金を借りて意味のない歳出を続けていれば、いずれは誰もお金を貸してくれなくなるでしょう。そうなるとなすすべもなくハイパーインフレーションになり経済が破綻するはずです。

その国に生産能力があり資金調達能力があれば、赤字財政刺激策も可なりということでしょうか。一種の市場の失敗(過剰生産縮小)の是正ですね。

果たして日本はどちらに向かうんでしょうか?どちらかというと、余剰生産能力も限られてるでしょうし、現在からさらに財政赤字を積み上げればやっぱり早晩破綻すると思いますけど・・・。僕も Fiscal Obsession に捕らえられているんでしょうか?正直確信はありません。

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おまけ: コラムで見つけた英語表現

fiscal profligacy 放漫財政

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移民について

日本が少子高齢化を迎えるにあたって、「移民を受け入れるべきだ」という意見をよくみかけるようになりました。

これはGDPだけを考えれば筋の通った議論です。日本の人口は100年後に半減するといわれてますが、人口が半分になったら、生産性があがらない限り経済規模も半分です。生産能力のある人口が増えれば、それだけGDPを押し上げます。

実際に経団連は移民の規制緩和を求めてます。しかしながら、移民には多大なる社会的コストがかかります。移民先進国のヨーロッパでも移民政策に対する評価は定まっていません。

先日ドイツのメルケル首相が「多文化主義は失敗した」と発言して物議をかもしました。

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少子化と労働不足に苦しむドイツは移民を積極的に受け入れて、人口の約20%が外国人です(日本は2%)。しかし、移住して数十年たってもドイツ語が話せない人もめずらしくありません。当然軋轢が生まれ、右派政党は「ドイツが外国人にのっとられる」と主張しています。移民はどうしても低技能労働者が多くなりますから、低所得者層の賃金に下方圧力がかかることになります。これも問題をより先鋭化させているのでしょう。

当地イギリスも移民に寛容で、ロンドンの住民の3分の1は外国人。しかし先ごろの選挙でも移民に話題に触れたとたんに議論がヒートアップするなど、やはり潜在的な不満はあるでしょう。キャメロン首相は移民の制限を求めています。異質なものを排除しようとする人間の性でしょうか。

さて、日本に関してですが、個人的には低所得者の大規模な移民受け入れは日本社会と移民、双方にとって不幸なことになるのではないかと思います。一度移住を認めたら、まさか追い出せませんし。

ただ、高等教育を受けた移民はどんどん招致すべきで、イギリスのように例えば日本で博士号や修士号を獲得した人は、原則職がなくても3年間居住権を認めて、年間100万円以上連続して所得税を納めて、社会保険料等もきちんと払っていれば永住権がもらえるとかどうでしょう?

優秀な人には是非日本に来ていただいて働いていただきたい。

※ちなみに副党首のニックグレッグは移民制限に反対です。確か結論先送りにしたような気がします。

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おまけ:

multiculturalism 多文化主義

disown asylulm seekers 亡命希望者を追放

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2010.10.24

ストライキです

今日学校に向かってあるいていたら、近所でストライキがありました。キャメロン首相の歳出カットに反対するデモです。どうも左翼団体みたいですね。自らSocialist Party(社会党?)と名乗ってます。

Img00040201010231107

ほほーと思って見学しつつ、写真を撮りつつ歩いてると、多分連動してるんでしょうけど、また別の集団がストライキやってました。えーっとこっちは・・・

Img00041201010231111_2 

FBUがなんの略かといいますと、Fire Brigade Union。消防士組合。

・・・・・・えー、火事が起こったらどうするんですかー!!

さすが”ストライキは文化”のヨーロッパ。もちろんイギリスでも「公務員にストライキ権は認められるべきか」などの議論はありますが、実際にストライキやってます。しかも消防士。今まで教科書の中でしかみなかった「ピケ」なるものの実物も拝見しました。本当に従業員が入り口ふさいでます。当たり前ですけど。

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おまけ: ストライキに関して

Walkout ストライキ

Wreck life 生活がめちゃめちゃになる

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2010.10.23

英語の色々なアクセント

これは面白いです。

彼はイギリス人で一人で色々な英語のアクセントをしゃべっています。ロンドンで暮らしていると聞いたことがあるアクセントが多くて、「おぉ、あのアクセントは南エリアだったのか!」ということがわかります。ウェールズとかスコットランドまでいくと遠すぎてよくわかりません。

さすがにアメリカンアクセントとかはうまいですねぇ。フレンズとかScrubとかアメリカのドラマそのまんま。インドもイギリスではよく聞かれるだけあってうまいです。ただ、中国と日本はいまいちかな・・・。

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お知らせ: Twitterはじめました(正確には再開)。まだ3日程度だけど、いろんな人の意見が聞けて結構面白そう。まとまってない考えはTwitterでつぶやくことにします。ID: snezu

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2010.10.22

未来は予測できない

最近円ドル為替レートが80円近辺まで上昇しました。1ヶ月ぐらい前に日本政府が介入して、85円まで戻ったときに僕は「為替介入は意味がない」というエントリー(こちら)を書きました。

やはり僕の予想した通りになりましたね・・・

Crystalball784068

なんて書いたら、LBSの各教授が「いったいお前は何を勉強してきたんだ」と大いに嘆かれることでしょう。多少議論のあるところですが、「短期的な(概ね1年以内)マーケットの動きを予測することは不可能」というのが、経験的に知られているからです。

金利差、GDPの成長率、累積財政赤字の大きさなどなど・・・。20年間、経済理論に基づいて色々な変数を入れ込んだモデルを経済学者がいくつも作って、将来の為替レート予測を行いましたが、結果としてランダムに算出された予測を上回るパフォーマンスを残すことはできませんでした。

しかしながら、巷の経済談義はしばしばこの強固な学術的成果に反します。

エコノミスト(2010.9.14) 〔特集〕為替アナリスト5人に聞くドル・円相場予想
止まらない円高為替アナリスト5人に聞くドル・円相場予想現在の円高は、どこまで進むのか。2011年3月までの相場展開をアナリスト5人に予測してもらった

読売新聞 「為替を読む
ズバリ:今週の予想レンジ 81.00円~84.00円(10月12日)

少し意地悪な言い方をすると、週間為替予想コンテストを行って僕が常に「来週の為替レートは今日のレートと同じでしょう」といい続けて、”予測値とのはずれ幅”で勝負したらこの専門家の方々に勝つ可能性が高いです。なお、いかに専門家の予測があたらないか、を個人で追跡調査したページがありました(こちら)。

一方でうがった見方をすれば、ひょっとしてエコノミストの方々は為替レートがランダムに動くと先刻承知していながら、予想を発表されているのでしょうか。もし「読者にうけるから」という理由で嫌々ながらやっておられるとすれば、サラリーマンの悲哀を感じますね・・・。

以上を踏まえると、例えば6ヶ月前と比べて何故円高になったのかも、「理由は全くわかりません」というのが恐らく正しい答えなのでしょう。よく日経などでは「昨日の為替相場はアメリカの追加緩和を予想して円高にふれた」といってますけど、そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。ひょっとしたらアメリカの貿易赤字が懸念されたのかもしれないし、日本の景気回復が予想されたのかもしれない。経済は複雑ですね。

※補足
株価の予想に関しても同様のランダムウォーク理論があります。

眼はおかげさまでだいぶよくなりました。来週は問題なさそうです。

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おまけ: エントリーに関連する英語

Robust theory 強固な理論

Yen appreciates/depreciates. 円高/安になる

a tall order 難しい要求 (友人が「為替予測をするのは難しい」、という表現するのに使ってて、「なるほど、こうも言えるのか」と感心しました。やっぱり difficult だけじゃ芸がないですよね!)

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2010.10.20

防衛予算のカット

日本ではニュースになっておりませんが、当地では防衛予算のカットがトップニュースです。労働政権下では防衛予算が縮小されることがありませんでしたが、連立政権では「防衛予算も聖域ではない」とカットに踏み切りました。

4年間かけて8%の削減に取り組みます。具体的には海軍と空軍でそれぞれ5000人、陸軍から7000人、防衛省の文官から25,000人カット。その他モロモロ。そして、特に問題となっているのがハリアー(下写真)とArk Royalと呼ばれる軽航空母艦のカットです。

38036

僕も軍事は詳しくないのでわからないことも多いですが(ニュースを聞いててもピンと来ない)、なんでも空母を実用レベルで運用できるのは現在アメリカとイギリスだけなんだとか。そして、新型機が運用されるまでの間、9年間イギリスは空母はあれど飛ぶ戦闘機がないという事態になるそうです。

空母を持つというのは、世界のどこでも戦闘機を飛ばせるということで、象徴的な意味を持つ(みたいです)。第二次世界大戦以後では海戦は主に空母を中心としたものになった(そうです)。中国も現在自前空母の配備を計画中です。

で、なぜこれが問題かというと、かのフォークランド紛争。イギリスから遠く離れた島を守るのに、このハリアーが大活躍したそうです。アルゼンチンの旧式戦闘機を23機撃墜して損害ゼロ。ということで、新聞では「アルゼンチンのやろうどもが攻めてきたらどうするんだ!」とオヤジ国会議員(だと勝手に想定)がほえてます。

キャメロン首相は「この施策の結果でも、イギリスは世界で第4位の軍事予算を持ち、GDPの2%を軍事費に拠出するというNATOのルールも守れる。我々はもっと計画的に、戦略的に予算を使うだけだ」と主張しています。

素人日本人的には「もうイギリスがそんなに無理して軍事予算を維持することないんじゃない?」と思います。

しかし、これこそ政治主導。うらまれても批判されても必要だと信じる政策を断行する。政治主導って実は政治家にとってはつらいことなんですね。わが国の事なかれ主義とはえらい違い。なぜこうも成熟度が違うんでしょうか?やっぱり最低政権が4年続けば、大きな決断もできる、というのはひとつあるでしょうね。

ちなみにキャメロン首相は野党時代は労働党政権に対して「必要な防衛費が組まれていない」とギリギリやって、ブラウン首相が「防衛予算は減ってない」と答弁してたので、なんか立場が変われば言うこと変わるんだなぁ、とちょっとこずるい気がしないでもないです。そんくらいは政治家に必要な立ち回りなんでしょうか。

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おまけ: キャメロン首相の演説より

This governemt has inherited 38bn black hole in the MoD's budget. 当政府が引き継いだ防衛予算計画には、財源のめどがたたない分が380億ポンド(4兆円強)もある(ヤジがワーワー)

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2010.10.19

教授からの返信

以前のエントリーで「中国の為替操作を止めるには、米国債を中国に買わせなければ良い」というエコノミストの見解を紹介しましたが、これについて教授に質問してみました。

質問:
「このエコノミストの見解は実現可能なのか?また実現可能だとしたらUSが実行してない理由は何でしょうか?」

教授からの返信:
「現実には米国債の購入者がA国の人間なのか、B国の人間なのかをチェックするのは非常に難しい。恐らくその規制を回避することは非常に容易だろう。一般的に言えば、金融問題は起こった事象に対処するよりも、その原因に対処するほうがはるかに容易である」

こちら「ウォールストリート日記」さんでも同じ話題を取り上げてたので、質問させていただいたところ、米国債は世界で最も流動性の高い債権、つまりどこからでも買えるのでやはり実行面で無理があるのでは、とのことでした。

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マネーロンダリングの調査と同じことだから可能なのではないかと思いましたが、どうやら実際は規制を実施するコストのほうがメリットを上回るようです。

しかし、教授のアドバイス「原因に対処せよ」で思ったのですが、報復関税も所詮は対処療法に過ぎず、もし実行されたとしても中国からの貿易赤字が多少他国に振り替わるだけで、現実は何も変わらないような気がします。アメリカの輸出が伸びるかといえばかなり怪しいでしょう。これはまた項を改めて・・・

先日眼病は「はやり目」ということが判明しました。今がピークなのか(だといいですけど)、左目は完全にふさがり、涙が止まらず、白目が膨らんで、信じられないくらい目やにが出てすごい状況です。伝染性が強い病気らしいので、学校休みます。あぁ目が痛い。

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おまけ: 教授のメールでなるほどと思った表現

bypass this kind of control この手の規制を回避する 

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2010.10.18

”アンカリング効果”の効果

皆さんアンカリング効果をご存知でしょうか。これは交渉術で出てくる概念なのですが、アンカーというのは碇のこと。交渉において最初に自分に思いっきり有利な条件提示をすると、最終結果も有利になる、という効果です。

では、先に条件提示をされたらどうすればいいのか?いったん交渉をリセットして改めて自分から条件提示を行う、という対抗策が編み出されております。

ではこれをお互いがこれを認識しているとどういうことが起こるか、が結構面白わけです。すなわち、

  • お互いがアンカリング効果を学んだことを知っている
  • お互いの条件が自分達にはるかに有利なものである、ことを知っている
  • お互いが最初の条件提示をリセットしようとしている、ことを知っている

という状況。当然交渉相手に対する信頼はゼロ。ひたすら相手を無視して自分達に有利な条件を叫び続ける、ということになるわけですね。

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叫び続けてもしょうがないのでどっかで着地点を探すわけですが、すでにお互いに疑心暗鬼なのでスムーズに話が進むわけがありません。”和をもって尊しとなす”の国から来た身としては「なんだかなぁ」というのが正直なところ。

それにしてもこっちの人たちは遠慮しませんね。相場の10倍20倍の価格を平気な顔してふっかけて相場の5倍でも「俺達は超損してる」と臆面もなく言い放ちますから。

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おまけ: ぼやきの英会話

So annoying うっとおしい・・・

I was pissed off むかついた (あまり品がよくないみたいです、でもカジュアルな場面だとよく使われるんです)

She might be upset. 彼女たぶん怒ってるよ (これは普通に使います)

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2010.10.16

相手を信じるなかれ

今回は「交渉」の授業から。この授業ではいかに交渉すべきかを学びますが、毎回授業であるケースを元に生徒同士で実際に交渉を行う演習があります。

Communication_negotiation

一番最初の授業では、「工場の売却」がテーマでした。売却には色々と条件がついておりまして、例えば売り手は「この金額以下では売るな」という指令がありますし、買い手には「これより金額が高かったら諦めろ」という指示がきます。

この手の交渉で必要なことは、「自分の条件を正直に話してはいけないし、相手を信じてもいけない」ということだそうです。一般道徳には反しますが、交渉の状況によっては合理的な判断となります。

もし仮にあなたが工場の”買い手”で、相手が「絶対に1億円以下では売れない。他に買い手がいるから」と言ってきたら、どう思うでしょうか。通常は”はったり”をかましてきていて、まだ交渉の余地があるはず、と推測して値切りをかけるでしょう。

逆にあなたが正直に「うちは8000万円しか出せない」と正直に言って、相手が信用しなかったらどうなるでしょうか?相手はしつように値上げしようとして、あなたが一歩も譲歩しなかったら、お互いにフラストレーションがたまります。最悪、交渉が流れてしまうかもしれません。

道徳的に正しいかどうかは別にして、交渉とはそういうもんだ、お互いがブラフ(すなわち”うそ”)をかましていることを踏まえて臨まなければ自分が、場合によってはお互いが、損をするだけだ。ちょっと極端に言うとこういうことですね。

でもですね、残念ながらM&Aなどの一回こっきりの交渉はそうかもしれないですが、通常のビジネスの交渉は何回か繰り返されるものですし、やっぱり正直かつ誠実な方がお互いにとっていいんじゃないかとも思うのです。後半の授業では「リピート」という要素も入ってくるので、この辺を掘り下げるのではないかと思っています。

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おまけ: 交渉に関する英語

impasse 行き詰まり

Make a concession 妥協する

Compromise 妥協する

I am happy with your offer それでいいよ。(日常会話でも使えて応用範囲広い)

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2010.10.15

ロンドンの眼科?

朝おきたら左目が開きませんでした。結構まぶたが晴れ上がって充血してたので、同期のH医師に相談したところ、「恐らく細菌感染、そんなに心配しなくてもいいけど医者にいって抗生剤入りの目薬をもらえるのならもらったほうがいい」ということだったので、イギリスで始めて歯科医以外の医者にいきました。

NHS(イギリスの公的無料医療機関)にいくと、薬をもらうのにお金がかかるし、何より並ぶらしいので、ここはいっぱつ絶対使わないと思っていた海外旅行傷害保険を使うことにしました。医療用語の英語はさっぱりわからないので、めんどくさいから日系の医者へ。

「ジャパングリーンメディカルセンター」

イングランド銀行の近く、金融街のいわゆるシティにありました。受付からなにから、お金のにおいがぷんぷんします。もちろんメインのお客さんは海外赴任者なのでしょう。

ちなみに、眼科医は月、水、木しかいないということで、診ていただいたのは一般医でした。H医師の言うとおり、目薬もらって終了。ま、もともと体は弱いほうでもないので、あまり心配しなくてよさそうです。

しかし、やっぱり保険をかけてあると安心感が全然違いますね・・・。

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おまけ:眼科の英会話
(せっかくなので調べました。英辞郎で検索しただけなので保証の限りではありません)

腫れた目: puffy eye

目やに: eye mucus

ものもらい: sty in one's eye

細菌感染: bacteria infection

目薬: eye-drops

目の充血: bloodshot eyes

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2010.10.14

エジンバラ旅行(2) -ハギス料理-

エジンバラ旅行記第2弾です。イギリスの食がたいした事ないのは全世界に知られた事実ですが、スコットランドにも一応郷土料理があります。代表的なのがハギス。

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ハギスとは「茹でたヒツジの内臓(心臓、肝臓、肺)のミンチ、オート麦、たまねぎ、ハーブを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹るか蒸したプディング(詰め物料理)の一種」(wikipedia)

とあります。中身がなんであるかを知っていたポルトガル人は全く食べようとしませんでしたが、「旅行の第一目的は郷土料理である」と信じている僕は当然いただきました。

ところで、なぜかこの料理は国際的に異常に低い評価をえておりまして、


フランスのジャック・シラク大統領は、2005年ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とドイツのゲアハルト・シュレーダー首相との会談の中で、イギリス料理を揶揄し、その例としてハギスに言及した。(「ひどい料理を食べるような連中は信用がならないということだ。」)イギリスの通俗新聞は、これに猛反発。しかし、イギリスの外務大臣ジャック・ストローは、「ハギスに関してなら、シラク大統領のご説はご尤も」と賛意を示した。アメリカの大統領ジョージ・W.ブッシュは、2005年のエディンバラでのG8の会合にハギス料理が出されることに懸念がある、とジョークのネタにした。(Wikipedia)


と、何かにつけてネタにされているようです。

お店によって味付けの差はあるのでしょうけど、僕が食べたパブではコショウをきかせたオートミールみたいなものでしたね。確かに見た目は悪いですが、食べられないことはないと思いましたけど・・・。ひょっとして僕の味覚が劣化してるんでしょうか。

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2010.10.13

エジンバラ旅行(1) -中世は半端じゃない-

ふと気づいたら昨年は1年間まったくイギリス国内を旅行していないということに気づきまして、これはいかんと週末を利用してエジンバラに行ってきました。なお、メンバーはトルコ人(女)、ポルトガル人(男)と僕です。

エジンバラはスコットランドの首都、ロンドンについて観光客が多い都市です。街の象徴は旧市街にあるエジンバラ城とその町並み。中世(15~16世紀)の雰囲気を今に伝えており、世界遺産にも登録されています。

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(こちらエジンバラ城。ご覧の通り、スコットランドらしい陰気な曇り空)

お城の話は観光サイトに任せておくとして、僕が興味をひかれたのは中世の住民の生活。とにかく現代からは想像もできない環境です(お食事前の方はこの先を読まないように)。R0011999

ちょうどエジンバラの旧市街は盛り上がった丘の上にへばりついているので、17世紀、斜面にあたるところでは10階にも及ぶ高層建築が行われていたようです。住環境は相当劣悪で、下層階には光が当たりません。当時蝋燭はとても高価でしたから、1日中暗かったのでしょう。

部屋もみましたが、四方を石に囲まれた全く光の入らない部屋に、ランプが一箇所ついているのみ。10畳ぐらいの部屋に子沢山の家族が暮らしており、家具はなし。日本の引越し直前アパート状態です。家具を所有していれば、かなり裕福な部類に属したようです。

しかし、最大の問題は照明や家具ではありませんでした。そう、衛生です。下水道のない時代でしたから、なんと部屋のわきにバケツをおいて、そこがトイレです。ネズミの死骸から食べ残しまでがそこに捨てられました。匂いを想像するだに・・・。

そして1日2回、住民達が窓から外に汚物を投げ捨てたのです。あの狭い通りで上からいっせいに汚物が降ってくれば、回避不能でまさになすすべ無し。このやり方は19世紀に入っても変らなかったようです。ただこの頃になると、裕福なエリアに住んだ貴族達には汲み取りの業者が来たようです。なお、下水道が普及しだすのは19世紀後半からです。

一見悲惨な状況のように思えますが、それは現代から眺めているから。当時の人たちには恐らくこれが当たり前だったのでしょう。ちなみに、中世でもお金目当ての結婚トラブルや駆け落ち(なんとイギリスからドイツに逃亡)なんかがあったりして、「やっぱ人間数百年じゃ変らないなぁ」という気になります。

後世都市開発が進むにつれて、この区画の一部は閉鎖され上層部に新しい建物が建てられていきました。さしずめ失われた地下都市といったところでしょうか。調査が進み、2003年に観光客向けに一部の区画が見学可となりました。

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(当時の様子を再現。洗濯できるほど水があったのかな?)

ということで、エジンバラに行ったら地下都市を訪れてみましょう。ただ地下は空気が悪いので、体調の悪い方は無理せずに。

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おまけ: 友達と旅行に行くときの英会話

Split the bill (割り勘にしよ)

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2010.10.11

”中国の為替操作を止める合法的な方法”

ちょっと最近為替にエントリー内容が偏っておりますが、面白い記事をみつけてしまったのでもうひとつだけ取り上げさせてください。

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中国がドルベースで為替操作をしていることは広く知られている事実(具体的には元を刷って米国債を買っている)ですが、これに対して米国議会は9月24日に下院で制裁法案を可決しました。つまり「けしからんから中国からの輸入品には高関税をかけてやる」ということです。
(ちなみにLBSでこの話題になったときはみんな失笑してました「どっちもどっちだな」という空気でした)

しかし、この方法はWTOの第1条「全て貿易相手国は平等に扱われなければならない」に思いっきり違反しています(原文こちら)。

自分の都合のいいようにルールを変えることができるのが覇権国家というものですが、さすがに国際社会との摩擦はできればさけたいと思うことでしょう。そこで、ネットを眺めていたら面白い主張をみつけました。

”中国の為替操作を止める簡単で合法的な方法”(原文こちら

ちなみにヒントは僕が以前書いた以下のエントリーの中にありました。

なんと、オバマ大統領の財政出動(減税、医療補助、教育補助)は中国がお金を貸して支えてるんですね(エントリー全文はこちら

このエコノミストの主張は以下の通りです

  • 中国の為替操作を止めたかったら、国債の購入に対して条件を課せばよい。つまり米国債を中国に売らなければよいのだ。
  • これは貿易に関係ない話なのでもちろんWTOルールにはなんら抵触しないし、完全に合法である。
  • 中国に回避策はあるだろうか。ひとつはユーロを買うことだが、ECB(欧州中央銀行)が同じ対抗策をとって締め出すだけだろう。
  • あるいは欧州の銀行を経由して迂回購入することだが、このような巨額の購入を完全に隠し通すことなど不可能で、欧米の銀行が自国政府に逆らうとは思えない。
  • 加えて現在の過剰流動性のもとでは国債消化にも深刻な影響はない。

ということでした。うーん、言われてみれば単純な答えですが思いつきませんでした。今度教授にこの方法の有効性について質問してみたいと思います。そもそも実現可能なのか、もし実行されたら何が起こるのか、中国社会に対する影響、などなど。(個人的には)興味は尽きません。

追記:続きを書きました

そういえば、人気ブログランキングでさっきみたら5位になってました。ご助力ありがとうございます。ちなみに1クリック10ポイントです。広くLBSを知っていただくという意味ではやってよかったかなと思います。1位の方の背中はまだはるか彼方にかすんでますが・・・。

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2010.10.09

円高は”悪い”のか

前回に引き続き授業からのネタです。今回は円高について考えてみましょう。

2010083116552816

こちらは日経の記事から


景気「悪化」が2割超、円高・株安で 社長100人調査(2010/10/2 20:56)

日本経済新聞社が2日まとめた「社長100人アンケート」で、景気が半年前に比べて「悪化した」と答えた経営者が全体の2割を超えた。円高、株安や政府の経済対策効果の一巡が主な理由で、景気が「改善した」との回答を上回る。日本と中国のあつれきによるマイナス影響は、8割強が「懸念する」と答えた。同時に実施した「地域経済500調査」でも円高などを理由に「悪化」が「改善」とほぼ同数になった。


なるほど、いかに円高だと景気が悪くなるようにみえます。しかし、かたやこんな数字もあります。

2009年の日本の貿易額(ジェトロより):

輸出:5808億ドル

輸入:5523億ドル

つまり、日本は輸入に大体45兆円ぐらいのお金を使っているわけです。もし貿易が全てドルベースで行われていて、ドルレートが10%円高になったらどうなるでしょうか。日本にとってみると突然海外のものが10%安くなったことと同等で、その効果は4.5兆円です。

もちろん、その分恐らく輸出も減ることになりますが、最終的な”稼ぎ”がどうなるかはわかりません。冷静になって考えてみれば、戦後は1ドル=360円の固定レートから始まって、概ね絶え間なく円高の道を歩んできましたが(実質為替レートでみても円高)同時に輸出と貿易黒字も増やしてきました。

そもそも円高になるのはなぜでしょうか?ひとつには、世界の人々が日本のモノを買いたいと、よって円が世界中から求められたからです。そしてその結果、日本の人々は海外のものが安く買えるようになりました。これが突如円安になったらどうなるでしょうか。日本人が等しく貧しくなることを意味します。

ただいま授業を受けている教授の意見ですが、

国の競争力を測る最も有効な指標は為替レートである

という話もあるぐらいですから。この説に従えば円高であればあるほどよい、という結論になります。何せ海外のあらゆるものが安く買えるようになるのですから。

なお、誤解のないように申し上げておきますと、私は「だから円高に誘導すべきだ」と申し上げているわけではありません。現実の世界は複雑で、一見明々白々にみえる事実であってさえも、色々な解釈の仕方がありうるという可能性を提示させていただきたかったのです。

こちらでちょっと取り上げさせていただきましたが、”自由で豊かな文化”は私のもっとも好きな言葉の一つです。

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2010.10.07

起業はできても・・・

これは一応ビジネススクールのブログなので、MBAの授業の話も。LBSは第一にファイナンスの学校ですが、起業(アントレとMBAでは称される)にも力をいれております。今日はその中のひとつから。

起業に対してはみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。恐らく起業する方々は「はじめはパソコン一台から初めて、徐々に大きくして・・・」というサクセスストーリーを思い浮かべているのではないでしょうか。ちょうどこんな感じに。

001
(自宅兼オフィスから始まって・・・)

Office2
(4~5年後ぐらいには従業員30人ぐらい?)

で、僕のとってる授業はそんなに世の中甘くないよ、という内容です。 まず、日本の企業全体がどのような構成になっているかみてみましょう。

Slide1_2 
(総務省:事業所・企業統計調査 2006年)

日本では4人以下の事務所が60%、10人以下で全体の80%、20人以下で全事務所の90%となります(企業別でみると20人以下の小企業が全体の87%)。つまり、もし起業して、20人以上の雇用を生み出したとしたら、かなりすばらしい、例外的な成長といえるでしょう。

別の言い方をすると、起業してもほとんどの場合は小企業、よくても中小企業にとどまってしまうということです。もし100人以上の規模になったとすれば、スーパーレアケースといえるでしょう。ではなぜそれほどに規模を拡大することが難しいのか、実は多くの場合同じような理由によって成長できないのです・・・。

と、ここまでがイントロダクションでした。これから具体的に「失敗する理由」と「じゃあどうしたらいいの」というのを学んでいく予定ですので、まとまったところでアップデートいたします。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先日ちょっとブログをいじりました。もともとランキングとかには全く興味がなかったのですが、せっかくなのでより多くの方にみていただきたいなと思い至りました。ご迷惑でなければ、ご協力よろしくお願いします(クリックは1日1回まで有効です)。

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2010.10.05

遅れても笑顔で

昨日はストライキのことを書きましたが、そこでふと思い出したことがあります。チェコにいったときも飛行機が遅れました。

Airline_cancel_delay03

「電車の発車時刻は時計よりも正確」と賞賛される国から来ると、時刻表あってなきが如しの状況に憤慨する人もいるかもしれませんが、何せここはヨーロッパ。僕の印象だと、飛行機が時間通りに飛ぶかどうかは5分5分、時間通りに飛べばラッキーぐらいのつもりでいます。

ちなみに、先日のチェコの遅れのときのアナウンスはこんな感じです。アナウンスしたのは初老のおじいちゃん、乗客がゲート前にたまってる状況をイメージしてください。

「乗客の皆様にお知らせします。

ご搭乗予定の飛行機の到着が遅れたため、

出発時刻も40分ほど遅れる予定です。

どうぞお座りの上、もう少々お待ちください。

大変申し訳ありません。」

(オーノーという不満の言葉がそこかしこから)

「大変申し訳ありません。

どうぞ、お座りのうえ、、、、

笑顔でお待ちください(力を込めて)。

(Keep seated... and smiling, thank you.)」

さすがにみんな苦笑い。

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2010.10.04

ストライキです

朝、地下鉄の駅にいったら、扉が閉まってました・・・

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ということで、ヨーロッパ名物のストライキのようです。今回は地下鉄の40%がとまってしまっており、僕の通学路は運悪くそこにヒットしてしまいました。学校まで歩いても30分が45-50分ぐらいになるだけだから、そこまで問題ではないのですが。

ストライキの原因は切符売り場の人員を800名カットすることが原因だそうです。そういえば、日本でも日航の数千人の整理解雇が控えてますが、やっぱりストライキになって飛行機止まるんでしょうか。もしそうだとすれば、生まれてこの方、日本の公共交通機関のストライキに縁がなかったので、なにやら”新鮮”な感じがします。

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2010.10.01

ある金持ち国の話

あるところに金持ちの国がありました。

かつては大地主や軍人が支配していた国でしたが、当時の主要産業で優位に立ち、世界の国々に自国の製品を輸出しはじめました。民主化も進展し普通選挙が行われるようになり、政治状況は安定します。国民は急速に豊かになり、その国の一人当たりGDPランキングは世界でもトップクラスとなり、繁栄を謳歌しました。

ところが繁栄の時期は短く、まもなく没落がはじまります。直接のきっかけは世界的な大不況です。政府は不況になす術がなく、国民は不満を募らせていきます。やがて政権は不安定になり、最高権力者が短期間で頻繁に交代するようになりました。

しかしそれでもしばらくの間はかつて蓄えた外貨を使い、先進国の地位をなんとか保つことができました。政府は国民の関心を得るために労働者保護を強め、特定の産業に補助金をばら撒きました。しかし、そのような産業が国際競争力をつけることは決してありませんでした。

気づいたときにはその国の産業は世界からみるとひどく時代遅れのものになっていました。世界的な危機を乗り越え、安く良質な製品を輸出するようになった国が世界中に勃興し、危機発生から20年ほどもたつと、かつての蓄えも、国際競争力も、すっかり失っていました

事態がここまで悪化すると政府に効果的な手段は残されておらず、自転車操業が始まります。歳出をまかなうために借金をする、借金を返すためにお金を刷る、すぐにその国の通貨の信用は失墜し、深刻なインフレーションが国中に蔓延、政府は国民の不満を和らげようと歳出を重ねさらに借金を積み上げる・・・。貧富の差が拡大し不正が横行、治安が急速に悪化していきます。

そんな中、当時の政府は国民の不満をそらすためにある行動に出ました。その国と、別の強国(A国とします)がお互いに領有権を主張していた島に軍隊を進駐させたのです。一瞬その国はその島を領有することに成功しましたが、すぐにA国が反撃に出ました。

その国は「この島は自国の正当な領土である」と主張しましたが、結局国際的な支持は得られませんでした。それどころか、その国と長年領土問題を抱えていた隣国は、実質的にA国の同盟国として行動します。結局数十年実戦から遠ざかっていたその国の軍隊とA国の軍隊とでは勝負にならず、すぐに追い出されてしまいました。

10数年後、ついにその国は国債の債務不履行を宣言しました。もうこれ以上借金ができなくなり、借りたお金を返さない、いや返せなくなったのです。海外の資本家が我先にと貸し付けたお金を引きはがし、経済はいっきに収縮していきます。通貨は暴落しハイパーインフレーションが起こりました。国民はいっせいに自分の貯金が紙くずになる前にお金を引き出し、モノに代えようとしましたが、そうはさせじと政府は預金の引き出しを一人一週間につき3万円程度に制限します。なすすべもなく庶民の貯金は実質的に無価値となり、市場では物々交換が復活しました

そこには、かつて世界でも有数の富裕国であったことの面影はありませんでした。

みなさんもうお分かりでしょう。その国とは・・・









アルゼンチンです。

基本的には空想ストーリーではなくて実際に起こったことです(ちょっとお話っぽくなるように構成しましたけど)。よくあるネタなので、わかる人はすぐわかっちゃったかもしれないですね。

1880年 ブエノスアイレスが首都となる。畜産により経済発展

1929年 一人当たりGNP世界5位(IMF)、同年世界恐慌発生

1946年 ファン・ペロン大佐が選挙で大統領に就任。労働者保護を打ち出し第2次世界大戦で得た外貨を重工業に振り分ける。政策は失敗に終わり国民の不満が高まる。

1955年 軍部のクーデーターによりペロン失脚。以後軍事政権による弾圧が続く

1983年 フォークランド紛争。イギリスに敗北し民政移管

1989年 ドルペッグ制採用。国営企業の民営化を進め一時的に経済が持ち直す

2001年 新興国危機が発生し、ブラジルレアル暴落。市場はペソの固定レートの維持は不可能とみて、いっせいに資金を引揚げる。国債デフォルトを宣言

2002年 ドルペッグ制を放棄して変動相場制に移行、ハイパーインフレーション

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