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2010.10.22

未来は予測できない

最近円ドル為替レートが80円近辺まで上昇しました。1ヶ月ぐらい前に日本政府が介入して、85円まで戻ったときに僕は「為替介入は意味がない」というエントリー(こちら)を書きました。

やはり僕の予想した通りになりましたね・・・

Crystalball784068

なんて書いたら、LBSの各教授が「いったいお前は何を勉強してきたんだ」と大いに嘆かれることでしょう。多少議論のあるところですが、「短期的な(概ね1年以内)マーケットの動きを予測することは不可能」というのが、経験的に知られているからです。

金利差、GDPの成長率、累積財政赤字の大きさなどなど・・・。20年間、経済理論に基づいて色々な変数を入れ込んだモデルを経済学者がいくつも作って、将来の為替レート予測を行いましたが、結果としてランダムに算出された予測を上回るパフォーマンスを残すことはできませんでした。

しかしながら、巷の経済談義はしばしばこの強固な学術的成果に反します。

エコノミスト(2010.9.14) 〔特集〕為替アナリスト5人に聞くドル・円相場予想
止まらない円高為替アナリスト5人に聞くドル・円相場予想現在の円高は、どこまで進むのか。2011年3月までの相場展開をアナリスト5人に予測してもらった

読売新聞 「為替を読む
ズバリ:今週の予想レンジ 81.00円~84.00円(10月12日)

少し意地悪な言い方をすると、週間為替予想コンテストを行って僕が常に「来週の為替レートは今日のレートと同じでしょう」といい続けて、”予測値とのはずれ幅”で勝負したらこの専門家の方々に勝つ可能性が高いです。なお、いかに専門家の予測があたらないか、を個人で追跡調査したページがありました(こちら)。

一方でうがった見方をすれば、ひょっとしてエコノミストの方々は為替レートがランダムに動くと先刻承知していながら、予想を発表されているのでしょうか。もし「読者にうけるから」という理由で嫌々ながらやっておられるとすれば、サラリーマンの悲哀を感じますね・・・。

以上を踏まえると、例えば6ヶ月前と比べて何故円高になったのかも、「理由は全くわかりません」というのが恐らく正しい答えなのでしょう。よく日経などでは「昨日の為替相場はアメリカの追加緩和を予想して円高にふれた」といってますけど、そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。ひょっとしたらアメリカの貿易赤字が懸念されたのかもしれないし、日本の景気回復が予想されたのかもしれない。経済は複雑ですね。

※補足
株価の予想に関しても同様のランダムウォーク理論があります。

眼はおかげさまでだいぶよくなりました。来週は問題なさそうです。

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おまけ: エントリーに関連する英語

Robust theory 強固な理論

Yen appreciates/depreciates. 円高/安になる

a tall order 難しい要求 (友人が「為替予測をするのは難しい」、という表現するのに使ってて、「なるほど、こうも言えるのか」と感心しました。やっぱり difficult だけじゃ芸がないですよね!)

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