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2010.12.07

「LIVE講義 北朝鮮入門」を読んで

先日両親がロンドンに来ていたので、ついでに最近読みたいと思っていた本を持ってきてもらいました。この「北朝鮮入門」はさらっと読めてなおかつ北朝鮮の概要が分かるのでお勧めです。

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金正恩副委員長が後継者となっても、北朝鮮が不透明な国家運営をしていることは変わりませんし、北東アジア地域の安定を乱す最大の要因である現実も変わりません。
(中略)

権力の移行期というのは不安定なもので、これまで以上に何が起きるかわかりません。でも実は、北朝鮮のような独裁国家の場合、明日なにが起きるかは予測できなくとも、中長期的になにをしようとしているのか考察するのは比較的容易だったりします。

はっきりしていることは、北朝鮮も国際社会の流れと無関係ではいられないということです。不可解に思える北朝鮮をめぐるさまざまな動きが、実は、国際社会の動きと密接に連動しているのです。

情緒的な判断を廃して、一次、二次情報から考察を積み重ねようという姿勢が評価できます。本書の流れをまとめると

  • 北朝鮮はソ連と中国の援助に依存していたが、冷戦崩壊に伴いソ連からの援助が停止し、経済は多大なダメージを受けた
  • 中国にとっては北朝鮮の崩壊、難民の発生、国境地帯の不安定化が最悪のシナリオなので、しぶしぶ支え続けている
  • 一方で朝鮮戦争のように中国が米軍と軍事衝突をしてまで北朝鮮を支援する可能性はもはやない。イラクやアフガニスタンでアメリカが軍事的解決策を採るのを目の当たりにして、北朝鮮は核開発を急いだ
  • 一般庶民は思想統制を含む圧政下に置かれているが、近年脱北者のネットワークを介在して国境を超えた情報の流通量が増している。さらに配給制の崩壊と共に市場が発生し、統制は緩んでいる
  • 北朝鮮のトップ層は国際情勢についても情報収集し、分析をしている

北朝鮮の幹部達が自分達の特権を維持するために、一般庶民を犠牲にしていることに強い憤りを禁じえません。と同時に、自浄能力のないシステムが一度出来上がってしまうと、それを修正するのがいかに困難なことか。

これにちなんでもうひとつ記事をご紹介します(原文こちら)。

コロンビア大学の公共政策大学院は先週「米国外務省に勤める卒業生」からのメールをキャリアサービス(就職斡旋課)が学生に転送しました。「Wikileaksの情報はまだ機密に当たるので、これにリンクを張ったり、フェースブックなどのSNSで取り上げたりしないように」という内容です。

これに対して学部長が昨日メールを出しました。

「言論の自由は我が学部の根幹となる価値である。よって学生は研究分野あるいはグローバル市民として関連のあるいかなる公開情報にもアクセスし、自由に討議する権利を有する。またこれによって不利益を被ることは一切ない。従って学内、学外の討議の為にウィキリークスにアクセスすることにはなんら問題がない。もし米国政府からウィキリークスに関するなんらかのガイドラインが発表された場合は、直ちに学生にも知らせることとする」

なお、同学部のSick教授曰く、 「もし国際関係修士の学生がウィキリークスについて聞いたことがなかったり、関連分野の公電をチェックしたりしなければ、そのような者は国際関係の学位をとる資格がない」 「教授や学生は『誰かがいったこと』を受け入れるのではなく、オリジナルソースから自分で判断する方を選ぶ」ちなみにSick教授はウィキリークスの行為自体は犯罪で、アサンジ氏のエゴに過ぎないと批判してます。

法学部の授業を思い出しました。

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» いろいろと不思議ですねん(●´ω`●) [藤丸のブログ]
どもども藤丸です。いやぁ最近はいろいろと事件がありますが、何故か突然との事件が報道されなくなったりします。何故でしょうかね。華原さんは今何をされてるんでしょうかね。 [続きを読む]

受信: 2010.12.07 22時57分

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