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2010.12.10

キャリートレードなど

今ではだいぶ状況は変わりましたが、ひところは円貨と外貨の間にかなりの金利差がありました。この金利差を使って一儲けしてやろう、というのがキャリートレードです。金利の低い円でお金を借りて、金利の高い外貨で運用します。

Carrytrade_2

もちろん最終的な損益は為替レートの変動に大きく依存します。で、このキャリートレード、「儲かるの?」というところですが、過去の実績からは「多分儲かります儲かった」というのが答えです。

Carrytrade_3

図表は2004年から2007年にかけて、円で借りてブラジルレアル、オーストラリアドル、トルコリラで3ヶ月運用した場合と、S&P500(アメリカの日経平均)で3ヶ月運用した場合のリターンの比較です。大体の期間において株式のインデックス投資を上回っていることがわかります。

しかし同時にキャリートレードのリターンは乱高下が非常に激しいですね。これはひとつは為替レートが変動しているからと、あと株式投資と比較してるので株価が上下すると相対リターンも変化するからでしょう。

この「円キャリートレード」という言葉がはやった時期(2006-2007年)に、実際どれだけキャリートレードが行われたかということですが、推計の結果は8兆円から100兆円まで非常にばらつきが大きくなっています("International Financial Stability" Roger W. Ferguson, Jr. Philipp Hartmann, Fabio Panetta and Richard Portes)。

・・・ということを今学期勉強したのですが、ご存知のようにリーマンショック以降、各国が競って金融緩和をした結果金利差は縮小してしまい、残念ながら(?)「キャリートレード」という言葉自体をめっきり聞かなくなりました。

なお、「借金して外貨に投資する」という豪気な一般ピープルはなかなかいないでしょうけど、通常の外貨預金についてもあてはまるのでTipsを。高利回りの外貨(特に新興国)を買った場合、平均的には儲かる儲かったというのがアカデミックサイドの結論です。しかし、円貨と外貨の間に金利差がある場合、一般的には為替レートが設け幅を縮小させるように動くので額面金利ほどは儲からないでしょうし、リスクも大きい(儲けも損失も大きい)投資ではあります。

一応最後に「投資は自己責任で」。

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おまけ: そう考えると外為証拠金取引とか、もともと高いリスクをさらに増幅させようって話だからすごいギャンブルですね。僕ならやらないだろうなぁ・・・。

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コメント

日本はなかなかに低金利ですからね、そういった欲が出るのはしょうがないことだと思います。

ただいつも思うのは果たしてどれくらいの人間がこういった投資のリスクを理解できているのだろうということです。
今日本では株式投資ではなくFXが流行っていますがこれは明らかにゼロサムゲームですから儲かるか損するかは半々の投機的なゲームです。これにミセスワタナベと呼ばれる日本の主婦達が数多く参加しているそうですから恐ろしいものです。


ちなみに投資などにおいて、過去の実績などは参考程度にしかならず、最終的には未来に何が起こるのかわからないはずなので多分儲かりますなどといった紹介文は不適切だと思います。
投資信託などはやたらとやっていますがね。

投稿: ひらなり | 2010.12.11 18時00分

他に投資オプションが無いなかで、利回りのよいものをもとめるのは仕方のないことでしょう。主婦であれ、誰であれ。十分な教育を受け、リスクを理解しているはずの人達も様々なバブルを引き起こしてますしね。

とはいえ、外貨投資に狂奔すると、結局世界経済の不安定要因になりますから、むしろその観点から僕もよくないのではないかとは思います。

投資に関するご指摘はおっしゃるとおりですね。「過去には儲かった」ということで。修正します。

投稿: Shuji | 2010.12.11 18時31分

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