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2011.07.17

イギリス庶民院の議長

先日両親のロンドンガイドをやっていて、イギリスの国会のガイド付きのツアーに行きました。このツアーは年間を通して土曜日に開催され、さらに夏の間は他の曜日でも行けます(英語の他ドイツ語でも解説あり、日本語はなし)。

イギリスに住まわれた方は一度ぐらいはBBCで国会のクエスチョンタイムをご覧になられたことがあるのではないでしょうか?

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首相のデビット・キャメロンと労働党のエド・ミリバンド。ふたりとも若い!

毎週水曜日、野党党首を第一優先にして30分間、首相に質問できます。大山礼子氏が「アリーナ型」と名付けたものにふさわしい、華やかな舌戦が繰り広げられます。

で、BBCをみてるとここでいっつも「Mr. Speaker! Mr. Speaker!」ってふたりとも叫んでるので、発言者をそう言い換える慣行でもあるかと思ったら、Speaker というのは議長のことだったんですね。つまり彼らはお互いに意見を言い合っているのではなく、議長に向かってしゃべるというのがタテマエなのです。

国会ツアーでも議長について解説してくださり、面白かったので転載します。

議長は国会議員の中から選挙で選ばれます。議長は議事を公平に運営するために、党派性を完全に排除することが求められます。これはとても徹底していて、一旦党籍を離れた後は所属党に戻ることはありません。そのまま引退するか、上院(貴族院)の議席が与えられます。

従いまして、必ずしも現与党から選出される必要はなく、野党から選ばれることもあります。現在の下院議長のジョン・バーコウは保守党出身ですが、労働党政権時代に選出されています。議長の任期は国政選挙ごとですが、再選可能です。議会を代表することになるので、当然それにふさわしいキャリアの長い人物が選ばれます。

議長の権威は高く、もし議長が国会の解散にともなって再び国政選挙に立候補した場合、主要政党はその選挙区に対立候補をたてないという不文律があります。ただし、これは厳格なものではなくときたま破られたりするそうです。

日本の国会にももちろん議長がいますが、院内第一党から選ばれるのが通例で、副議長は第二党から選ばれます。任期が終われば所属党に戻りますので、党派性を排除するというタテマエがどれほど貫徹されるのかあやしいものです。とくに最近の上院議長の言動は党派性というか、個人的感情の吐露が多く、権威についてはいわんやをや。三権の長にふさわしい品位、公平無私さを求めたいところです。

予断ですが2008年のガソリン国会で国会が空転しかかったときに河野洋平衆院議長と江田五月参院議長が連名で事態の収拾にあたったときはさすがと思ったものです。日本は本会議での議事運営が単なるセレモニーなのでそれほど注目されないですが、イギリスとの比較では考えさせられるものがありますね。

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