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2011.11.06

為替介入の有効性 1

どうもご無沙汰しております。為替介入のネタは書こう書こうと思っていたのですが、仕事が忙しくて後回しになってました。宿題を片付けた気分であります。

僕の問題意識というかギモンとしましては、「為替介入って効果あるの?」ということ。やれ為替市場は巨大だから日本政府の単独介入は意味がないとか、だとしたらなぜ経団連とか、同友会とか為替介入すると好意的な見解をだすのだろうか。

もちろん長期的には為替レートは国同士の相対的な経済のファンディメンタルズによって決まることには争いがないと思いますが、一度虚心坦懐に事実を洗ってみようということでございます。

ちなみに僕は外為ディーリングの経験もない普通のサラリーマンですので、間違いがありましたら優しくご指摘いただきたい、といういつものお願いを先にさせて頂きます。

1.定量データの紹介

早速、円ドルの為替レートと為替介入金額(1991/1/1~2011/10/31、日次5327サンプル)のグラフはこちら。

Graph1
※ クリックすると拡大します
出所:「外国為替平衡操作の実施状況」財務省、PACIFIC Exchange Rate Service The University of British Columbia, Sauder School of Business

先日(10/31)の8兆円ともいわれる為替介入はまだ金額が公開されてないので入っていません。さて、これをみていただけると一目瞭然ですが、1990年代後半から2000年代前半まで、今とは比較にならないぐらい頻繁に為替介入していたんですね。

2005年~2009年の間に一切介入してないのは、効果がないと悟ったからか(最近の状況をみるとそれはなさそうですが)、はたまた景気がそんなに悪くなかったからなのか。

それはともかくとして、このグラフだけみても為替介入に効果があるのかないのか、ピンとこないのが普通の感覚だと思いますので、昨年の9月15日、野田財務大臣時代の介入をピックアップしてみましょう。過去20年間をみても、一日で2兆円を超える介入は最大金額でした(余談ですがこんな記事書いてました)。

Graph2
※クリックすると拡大します

これは分かりやすいですね。2兆円分のドルを買っても、ダウントレンドを押し戻すには程遠いように見えます。9月15日は83円から86円まで一気に円安になりましたが、20日もすると元の水準にもどってます。

いやいや、この1サンプルだけで判断するのはまずいだろうということで、2003年度(2003/4/1~2004/4/30)のデータをみてみましょう。この年度の介入総額はなんと31兆円です

Graph3
※クリックすると拡大します

これをみる限り、あんまり関係なさそうですね・・・。一番激しそうなところだと、例えば2004年1月2日から1月16日までで6兆円を超える介入を実施したんですが、為替レートはこの一ヶ月で106.94円(1月2日)から105.58円(2月1日)まで下がってますし。

結局、史上最大の為替介入を実施した2003年度は118.24円から104.2円まで円高になって終了しました。逆に言うと、数十兆円の介入ですら巨大な外国為替のマーケットをコントロールするには全く足りない量であることがわかります。(”コントロール”の定義によるんですけどね)

さてさて、こうしてグラフで視覚的にざっくりみることも大事なことですが、とはいってもこれでは感覚的なジャッジメントであることは事実です。幸いにして経済学者の方々が「介入に効果ありやなしや」というのを精密に研究しておられますので、それを紹介させていただきます。

長くなりましたので、2回に分けます。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: 株の初心者の入門 | 2011.12.11 15時15分

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