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2011.11.12

幸福を測定しよう 1

ちょっと大げさなタイトルですが、先ごろ仮で取り上げたニュースについて考察を完結させてみたいと思います。


日本一幸せなのは福井県、最下位は… 法政大教授が調査

「日本一幸せ」なのは福井県民という結果が出た。法政大大学院の坂本光司教授は9日、「47都道府県の幸福度に関する研究結果」を発表した。上位3県は福井、富山、石川の北陸3県。最下位は大阪だった。坂本教授と同研究室で、経済力や生産力による指標ではなく「幸福度」を数値化しようと調査。

合計特殊出生率や総実労働時間、平均寿命など40の指標で点数化し、総合点から都道府県を順位づけた。上位県は人口が250万人以下で、第2次産業の比率が高いという共通点があったという。

(朝日新聞:11月9日)


法政大学のプレスリリースはこちら(PDF)。

僕のTwitterのアカウントではこのニュースが配信されるやいなや、結構懐疑的というか、シニカルなコメントであふれたわけですが・・・。まぁ、端的に申し上げれば、下記2つが簡にして要を得ているといえましょう。

…ほっといてくれよ。 と~きょ~もんの度量衡では、大阪人の幸せ度なんかはかられへんのや。 前提がまちごとる (元ツィート

そんなん、「寿命が長いと幸せ」「持ち家率が高いと幸せ」みたいな外形的基準をパターナリスティックに点数化して集計したものか、「幸せですか?」って訊いて回ったか、「幸せの脳内物質」を決めてかかって測る、のどれかしかありえない。学問的知見がそれを超えるものでない以上。>幸福度調査 (元ツィート

平たく言えば件の調査は「失業率が低いと幸せでしょ」「工賃が高いと幸せでしょ」「犯罪認知率が低いと幸せでしょ」とこんな具合に点数をつけいていっただけではあります。まさに大きなお世話でありますが、ここら辺の指標ならまだ分からなくもない。しかし、

「持ち家比率が高いと幸せでしょ」「貯蓄現在高が高いと幸せでしょ」といわれても、はてさて誰が決めたんですか?というツッコミが入ることでしょう。さらに、それぞれの順位付けは同じ”重み”なんでしょうか?つまり、自殺率が一番低くて下水道普及率最下位の県と、この2つの指標の順序が逆の県は同じように「幸せ」なんですか?という疑問も湧くわけです(例の調査は単純算術平均をとっているっぽいのでこの2つの県の”幸福度”は同じになります)。

ということで、結論を申し上げると要するにこんなのはいい加減な指標なのです(Twitterのある人に言わせれば「遊び」)。

以上終了なのですが、ちょっと面白いので簡単にエクセルでプロットして遊んでみました。ランキング上位の県はなんだか人口が少ない県が多くないか?ということ。でそれを散布図にしてみます。

Graph1

ということで、「人口が少ない都道府県全て幸福度が高くなわけではない」ということが分かりますが、「人口が多い都道府県には幸せなところはない」ということが分かります。ついでに相関係数を調べてみると、0.468でありやはり値は高めで、人口とが少ないと”幸福度”が高くなる傾向があることが分かります。

で、「幸福ならなんで人口が減るんだよ」というツッコミも多かったので、人口増加率でも同じ事をやってみました。

Graph2

こちらの相関係数は0.204なので、若干弱いですが幸福度が高いほど人口が流出するわけではなく、むしろある程度人口減少が低下する傾向が認められます(出生率が組み込まれているので当たり前ですが)。とはいえ、高”幸福度”の都道府県からは例外なく人口が減っており、そんなんで幸せと言えるのか?という常識的なツッコミを支持しているといえましょう。

もうちょっとまともな調査ないのかな・・・と思っていたら大阪大学の大竹教授が面白い論文を紹介していたので取り上げてみます。

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