2011.07.12

MBAを終えて

卒業式を終え、僕の2年間のMBA生活も終了しました。で、せっかく2年余り続けてきたブログなので、何か締めのセリフでも・・・と最近悩んでいたのですが、あまりこれだ!というフレーズが思いつかないので、特にあてどなくツラツラと思いついたことを書いていきます。

ブログについて

このブログはとりあえず続けていくつもりです。不定期で社会的/政治的な考察を掲載していきたいと考えております(名前は変えたほうがいいのでしょうが後々考えます)。

英語

一年目にあれほど苦しんだ英語。正直未だにコンプレックスはあります。滞在期間は実質1年半でしたが、この程度の滞在でベラベラになるのは無理でしょう。ノン・ネイティブと話す分には問題ないのですが、ネイティブにはまだ苦手意識があります。

ただ、テレビで放送された僕のインタビューをみて「Shujiは英語がうまくなった。始めは何言ってるかわかんなかった」といってくれた子がいるので(そんなにひどかったか…)、進歩はあったと信じることにします。もちろん満足できるレベルには程遠いので日本に帰っても引き続き鍛えていくつもりです。

卒業後の進路

MBAに行く前は、ターンアラウンドマネジャー(企業再生の仕事)になりたいと思ってました。破産した企業の優良資産を再活用する仕事に社会的意義もあるだろうと。実際はいきなりそういう仕事につくのは難しいので、卒業後はコンサルとして2~3年働くつもりでした。2社から内定をいただいたのですが、英国滞在中に別にやりたい事ができたので最終的にお断りさせていただきました。ご評価いただいたのに期待に応えられないのが心苦しかったです。

なお、この”やりたい事”については僕のリアル知り合いの方々は大体ご存知なのですが、相変わらず未確定部分も多々ありますのでここでオープンにするのは差し控えさせていただきます。本件は直ちに専業で開始できる状況にありませんので、元の会社に戻ることにしました。時機がくれば退職する心づもりですが、一応上司達は知った上で応援してくれています(少なくとも表向きは)。そういう懐の深さが自分の会社の好きなところです。

自分にとってのMBA

MBAをとろうが留学しようが、結局自分は自分でしかないというのが最終的な僕の実感です。

MBAに大満足したという人もいれば、金を返せという人もいるし、望みどおりに投資銀行に就職できた人もいれば、卒業しても就職が決まってない人もいます。外資金融やコンサルに行く人達が多いのですが、それが本当に正しい選択だったのかは分からない。収入がぐんとあがって、やりがいもあり、プライベートの時間もたっぷりあって将来のキャリアも安泰、というのは現実的には難しく、卒業までには誰もが現実の選択肢のなかから一つを選ばなければなりません。

そしてそれは自分だけの選択であり、その結果何が起ころうとも自分の責任なのです。他の誰も代わってくれません。誰もが自分の人生を生きて行くしかありません。

僕にとってのMBAは、今や自分の人生の過去の通過点です。僕の場合は人生観が変わったとか、そういうことはありませんが、知識の点でも、世の中を見る視点という意味でも、さらに友人関係でも自分の人生を最も豊かにしてくれたイベントのひとつです。本当に来てよかったと思います。

この経験を糧にして、これからも僕は自分らしく生きていきたいなぁ、と思っています。最後に2年間お世話になった方々に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

Photo1

卒業式の日 苦楽をともにしたStudy Groupのメンバーと

2011年7月
根津修二

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2011.02.17

スーパーリッチはハッピーじゃない

ちょっとバタバタして更新が滞っております。もしなんどもこのブログを訪れて空振りした方がいらっしゃったら申し訳ありません。

今日のテーマはお金です。おそらく世の中に、よりお給料が上がるということに対して「いりません」という人はそうそういないでしょう。しかしお金があればより幸せとは限りません。うちのとある教授に言わせれば、スーパーリッチ(例えば資産数百億)の人々は大抵不幸な生活を送っているそうです。

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スーパーリッチのプライベートジェット

うまい喩え話だなぁ、と思ったのが

「今、突然100億円を受け取ったら自分の生活に何が起こるか考えてみるといい」

ということで、もしよろしければみなさんもちょっと考えてみてください。







「フェラーリだって買える、プライベートジェットをチャーターすることだって可能だろう。毎日5つ星のレストランで食べて、豪邸に住んでもいい。

しかし、友人関係はどうなるだろうか。『俺が払ってやるからみんなこいよ』といって高級レストランにつれていく。そうして以前の友人とそのまま付き合えるだろうか?答えはNoだ。収入のギャップが大きすぎれば、友人関係を維持するのは難しい。

家族はどうなる?親、兄弟、叔父や叔母を考えてみるといい。もし自分がお金を独り占めしたとしたら『なんて薄情な初だ』と思われるに決まっている。しかし、親類が自分のお金を目当てに近寄ってくるような状況が、幸せといえるだろうか。」

僕は食うに困らない限り、やっぱりいい友だちがいて、多くの刺激を受けられる知り合いがたくさんいれば、人生それでいいやと思いました。もし100億円あったら?寄付してしまうか、事業投資するでしょうね(もしリターンがあったら、また全部投資)。

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2010.12.31

MBA受験生への応援メッセージ

今年も残すところあとわずかとなりました。去年に引き続き、本日はMBA受験生への応援メッセージとさせていただきます。

自分が受験生時代だったのは2年前なので記憶も薄れてきています。2年前のこの時期のメールをみてみたのですが、クリスマスから大晦日まで、ほとんど全てカウンセラーとのエッセイのやり取りでした。我ながら味気ない生活。しかし、セカンドラウンド出願の受験生諸氏は恐らく同じ状況かと推察いたします。

予備校に使ったお金、MBAの授業料、2年間失った年収。かるくマンションなりフェラーリなりが買えます。果たしてそれだけのコストをかける価値がMBAにあるのでしょうか?

間違いなくあります。

と、語るのが普通なのでしょうけど、僕は相談事には常に真摯に向き合いたいと思います。ありきたりな言葉ではなく、MBAに来て1年半経過した時点での自分の正直な意見を述べさせていただいます。

MBA習得に費やしたお金と時間。果たしてそれが今後報われるかどうか。全ては皆さん次第です。

皆さんが何を学びたいのか。

皆さんがどのような職につきたいのか。

皆さんがどのようなライフスタイルを好むのか。

つまりは、どう生きたいのか。

MBAを生かすも殺すも皆さんの価値観、選択次第です。決して万人向けの教育プログラムではありませんし、年収をあげる魔法の資格でもありません。一部業界へのアクセスは確かに広がりますが、それとて合わない人は大勢います。誤解しないでいただきたいのですが、受験をされている時点でMBAを活用した完璧な人生プランが必要だといっているわけではありません。多くの同級生をみていると、それは留学してから学ぶ中でゆっくり考えればいいと思います。

今皆さんが自らに問うべきは、自ら考え、行動できる人間であるか否かです。それがない方だと、貴重な留学生活はなんとなく過ぎ去り「大金を払ってMBA留学したのに、授業はつまらないし、いい職につけなかったし、意味がなかった」となるでしょう。逆にもしあなたが、柔軟な発想を持ち、能動的に学び、自分で考え、判断を下せる方であれば、これほど刺激的な環境はなかなかないと思います。

今、僕は数千万円のお金を費やしたことに何の後悔もありません。この1年半で多くのことを学び、かつこの留学が人生を大きく変えるきっかけになろうとしているからです。もちろん、「自分は後悔のない人生を送っている」と大げさなことを言うつもりはありません。昔も今も、「ああしとけばよかった」と悔いだらけの毎日です。

しなしながら、たとえ悔いが残ろうとも、たとえ失敗しようとも、自分の意思を持ち、自分で人生を切り開いてこそ、生きている意味があるというものではないでしょうか。

希望のビジネススクールに受からないこともあります。

希望の職につけないこともあります。

たとえそうだとしても、キャリアについて真剣に考え、判断を下し、そして行動されている皆さんは決して間違っていません。

そんな皆さんを心より応援させていただきます。

I wish you all the best!Signature_2

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2010.11.14

就職の現実的な話

最近ふと思ったり、しゃべったりした就職関連のことをまとめてみました。多分他のビジネススクールも大体同じだと思うのですが、まずはLBSの就職関連データから。

1.就職率(2009年データ)

Chart1_2

2009年は恐らく景気の悪い年だったと思いますが、就職率は8割。8割も就職とみるか、2割も就職が決まらないとみるか。なお、起業もわずかながらいまして5%程度です。もっとも、15人程度起業したってことですから立派なもんだと思います。

「企業派遣なんてやってるのは日本と韓国だけ」という俗説を聞くこともありますが、欧米の大手コンサル会社は結構MBAに派遣してます。もちろん、日本企業のように給料まで払うというのはまずありえませんが、授業料や生活費に対して一定の補助をだすのはごく普通です。通常「卒業後2年間は派遣元で働くこと」という条件がついてますので、そういう人たちは大抵元の会社に戻ります。

2.業界別

Chart2

LBSは多少金融業界に就職する比重が高いかと思いますが(リーマンショック前は4割強)、どこのビジネススクールでも金融、コンサルティングが2大就職先というのは、あまり変わらないでしょう。

3.実際のケース

僕のスタディグループにDean's List(成績最優秀者Top10% だか5%だか)の女の子がいるのですが、その子は”しぶしぶ”某トップコンサルファームに就職することに決めたそうです。

なぜ”しぶしぶ”かというと、本人はもっと「給料が安くてもいいから、ワークライフバランスがよくて、やりがいのある仕事がしたい」と考えていたそうですが、「他に選択肢がないからしょうがないよね」とのこと。

実はこのように就職活動を始めた頃は色々と手を伸ばすのですが、結局金融orコンサルに落ち着くというケースは少なくないと思います。なんだかんだ言って、冷静に考えると、給与や仕事内容で比肩する職があまりないというのが現実なのでしょう。なお、事業会社に就職するのはその業界の経験がないとMBA卒でもかなり厳しいです。

もちろん、本人に確固たる意思があれば話は全く違います。が、前にもちらりと取り上げましたが、入学時のエッセイにキャリアゴールとか色々と書くものの、「それはそれ、これはこれ」という感じで実際には特に決まってない人が大部分なのです。

ということで、私費でMBA留学を考えている人は”よっぽどやりたいことがない限り”かなりの確率で外資金融か外資コンサルに転職することになることを念頭において辞表を提出しましょう。

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おまけ:

Lehman
私物を運び出すリーマン・ブラザーズ社員(2008年)

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2010.10.07

起業はできても・・・

これは一応ビジネススクールのブログなので、MBAの授業の話も。LBSは第一にファイナンスの学校ですが、起業(アントレとMBAでは称される)にも力をいれております。今日はその中のひとつから。

起業に対してはみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。恐らく起業する方々は「はじめはパソコン一台から初めて、徐々に大きくして・・・」というサクセスストーリーを思い浮かべているのではないでしょうか。ちょうどこんな感じに。

001
(自宅兼オフィスから始まって・・・)

Office2
(4~5年後ぐらいには従業員30人ぐらい?)

で、僕のとってる授業はそんなに世の中甘くないよ、という内容です。 まず、日本の企業全体がどのような構成になっているかみてみましょう。

Slide1_2 
(総務省:事業所・企業統計調査 2006年)

日本では4人以下の事務所が60%、10人以下で全体の80%、20人以下で全事務所の90%となります(企業別でみると20人以下の小企業が全体の87%)。つまり、もし起業して、20人以上の雇用を生み出したとしたら、かなりすばらしい、例外的な成長といえるでしょう。

別の言い方をすると、起業してもほとんどの場合は小企業、よくても中小企業にとどまってしまうということです。もし100人以上の規模になったとすれば、スーパーレアケースといえるでしょう。ではなぜそれほどに規模を拡大することが難しいのか、実は多くの場合同じような理由によって成長できないのです・・・。

と、ここまでがイントロダクションでした。これから具体的に「失敗する理由」と「じゃあどうしたらいいの」というのを学んでいく予定ですので、まとまったところでアップデートいたします。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先日ちょっとブログをいじりました。もともとランキングとかには全く興味がなかったのですが、せっかくなのでより多くの方にみていただきたいなと思い至りました。ご迷惑でなければ、ご協力よろしくお願いします(クリックは1日1回まで有効です)。

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2010.09.12

海外で働くことへの関心

過去の海外で働くことに関するエントリー(こちらこちら)にも述べましたが、僕は海外での就労に関してはニュートラル。いいとも悪いとも思わないし、メリットデメリットを個人の嗜好から判断すればいいと思っています。

でも、ひとりの日本人としては、是非海外で一人でも多くの日本人が活躍して欲しいと素朴に願っています。そういう意識をもっているので、さっきみつけた読売新聞の記事はちょっとお粗末だなぁと思うのです。


海外就労「関心なし」77%…内閣府調査
海外で働くことに関心がある日本人は2割にとどまり、20歳代の若者でも4割に過ぎないことが、内閣府の世論調査で分かった。(下線引用者、原文こちら


この記者(というか経済産業省?)には、「日本経済が地盤沈下しているなかで、国民の意識も内向きになり、かつてのような世界市場と戦おうという気概がなくなりつつある」というストーリーを作ろうという意思がみえるのですが、

そもそも日本で働いている40代、50代の人に普通に聞いてみたら、英語ができるわけでもない、海外にコネクションがあるわけでもない、というのが通常でしょうから、関心がないに決まってます。それをとりたててネガティブにとりあげるのはどうかと。

個人的にはこうヘッドラインをつくって欲しかったです。


20代の4割が海外就労に関心
内閣府の世論調査によると、海外就労に関心がある率は若年者ほど高まり、20代では4割に達することが分かった。


そもそもどの事実をどう取り上げるか、さらにそれをどう解釈するかということが、ジャーナリズムの根幹だと思うんです。この件に関してみれば、20代の4割も海外就労に関心があるというのは、すごい数字だと、希望をもてる数字だと思うんですよね。僕の解釈ですが。

そういう若者の希望なり野望なりを後押しする制度がぜひ欲しいものです。

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2010.08.09

続MBA取得後 君たちはどう生きるか

これは最近読んだ書籍のタイトルです。父親を亡くしたコペル君という中学生が精神的に成長していく様を描いております。コペル君のいくつかのエピソードに対して、父親代わりの叔父さんが手紙でアドバイスを送る、という形式で書かれています。

実はこの本、はるか昔中学時代に塾の先生に紹介されたことがあるのですが、読むでもなくすっかりと忘れていました。一年ぐらい前に某ブログで紹介されておりまして、今回他の本を買うついでに、ふと思い出しまして買ってみました。

で、感想は・・・すばらしい本です。これからビジネススクールに行く方は、英語の参考書やグロービスの参考書の前にぜひご一読を。MBAのその先を考えたときに、コンサルも外資金融もよい職業だとは思いますが、そもそも「自分が何のために生きているのか」を忘れないために。

まず本を書かれた背景にずっしりとくるものがあります。


『君たちはどう生きるか』は、そのタイトルが示す通り、そして、本書が1935年10月から山本有三の編纂され、1937年7月に全16巻が完結した『日本少国民文庫』の第5巻で最後の配本であり、「少年のための倫理の本」(303頁)であった。

1935年といえば、すでに4年前に満州事変が起こり、国内では日増しに軍国主義の色彩が強くなっていった時代であった。この『日本少国民文庫』もまた、こうした情勢を意識したものであった。すなわち、「先生(山本)は、少年少女に訴える余地はまだ残っているし、せめてこの人々だけは、時勢の悪い影響から守りたい、と思い立たれました。

先生の考えでは、今日の少年少女こそ次の時代を背負うべき大切な人たちである。この人々にこそ、まだ希望はある。だから、この人々には、偏狭な国粋主義や反動的な思想を越えた、自由で豊かな文化のあることを、なんとかしてつたえておかなければならないし、人類の進歩についての信念をいまのうちに養っておかねばならない、というのでした。荒れ狂うファシズムのもとで、先生はヒューマニズムの精神を守らねばならないと考え、その希望を次の時代にかけたのでした。


とはいえ、内容は「道徳の本」に象徴されるような説教くささが全然ありません。中学生向けですから、文体も重々しくなくすらすら読めてしまいます。しかし、叔父さんのアドバイスはひとつひとつがシンプルだけれども深い。僕の本はさっそく友人に貸してしまったので細かいところは覚えていませんが、心に残ったおじさんのセリフをいくつか。

「いいかい、本当にえらい人っていうのは、世の中の役に立つ人のことなんだ。世の中にはえらそうに見える人がいっぱいいるけど、ふんぞり返って何の役にもたってない人達は本当はちっともえらくないんだぜ。」

「世間には、他人の眼に立派に見えるように、見えるようにと振舞っている人が、ずいぶんある。そういう人は、自分がひとの眼にどう映るかといいうことを一番気にするようになって、本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。僕は、君にそんな人になってもらいたくないと思う。」

「いや、この先は、もう言わないでも、君にはよくわかっているね。君のような恵まれた立場にいる人が、どんなことをしなければならないか。どういう心掛けで生きていくのが本当か、それは、僕から言われないだって、ちゃんと分かるはずだ。

君のなくなったお父さんといっしょに、また、君に一生の希望をかけているお母さんといっしょに、僕は心から願っている―

君がぐんぐんと才能を延ばしていって、世の中のために本当に役に立つ人になってくれることを!」

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2010.08.01

MBA取得後

最近季節柄「MBA志望の人たち」によく会いますし、これから出国される方々にもよくお会いします。日本からいかれる方々は相当数の割合が「社費派遣」なので、あまり転職先に悩むことはないのでしょうが、私費の方々は当然次の職を常に頭に考えておられることと思います。

ビジネススクールは様々な捉え方ができると思いますが、「転職専門予備校」としての性格が大きなウェイトを占めていることは誰も否定できないでしょう。

でも、入ってみて思うのは「実は転職の選択肢はあんまり多くない」ということじゃないのか、とも思います。所詮3分の1は金融、3分の1はコンサルに行くわけですから、この2択以外のところをもとめようとしても、情報もコネクションも限られる、という印象を持ってます。

それでも欧米だと転職も一般的ですし、MBA後のキャリアパスが根付いているので、伝統的な大企業でも色々と選択肢はあります。ところが日本の普通の大企業だと、主要ポストに転職者を起用することはあまり一般的ではなく、そういう選択肢が全滅してしまいます(転職するだけなら可能でしょうが、わざわざ窓際族になってもしょうがない)。

といっても僕も古い企業にいた身ですから、アナクロニズムや閉鎖的な仲間意識のみによって転職者が冷遇されているとは思いません(それもあるでしょうけど)。もっとも大きな原因は、転職者には社内ネットワークが不足しているので新卒採用者に匹敵するだけのパフォーマンスを出すのが難しい、ということじゃないかと思ってます。

例えばある課題があったときに、社内のどのリソースを使えばいいか、ということが転職者には皆目検討がつかない。現在インフォーマルな人事情報がオープンにデータベースになっていて(広告会社だったら自動車会社何年担当、営業何年担当、関わったCMやキャンペーンのリスト、受賞内容、イベント実績云々かんぬん・・・)、さらにそういう他部署からの要請に対して協力することが評価されるようなシステムが整っていれば、転職者でももっと活躍できる可能性はありますし、採用にも積極的になっていくと思うんですが。

ちょっと話がそれましたが、そういう事情があるのでコンサル金融以外だと、非常に選択肢が限られて、いわゆるP&Gやマイクロソフトのような外資、あるいは楽天やアマゾン、グーグルみたいな新興企業しか選択肢がなくなってくるわけですね。

これは別にMBAの人たちの為だけに言っているわけではないのですが、日本の大企業ももっと社内リソース(主に人材)を活用できるようなシステムや体制を整えれば、ひいては社外の優秀な人を取り込むことにもつながりますし、新規事業の育成や収益性の改善、人材配置の適正化など、閉塞感が多少打破できるのではないかと思うのですが、どうでしょうか(例えばリクルートの社内公募システムとか、話を聞く限り結構進んでるし、ちゃんと機能していそう)。

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2010.07.09

「頭のいい人なんていくらでもいるよ」

とは、学生時代からの友人(元コンサルタント)の言葉。本人は何の気なしに言ったつもりなんでしょうが、最近MBAのリーダー教育に絡んで僕が考えていたことのツボをついたので、「そうだよなぁ」としみじみと思うのでした。

何をもってして「頭のいい人」といえるのかという問題はありますが、とりあえずここではお勉強ができて、要領がよくて、事務処理能力に優れた人ということにしましょう。ついでに、通常の社会人生活を営む上で問題ないぐらいの処世術を身につけているものとします。

さて、そんな人って世の中に何人ぐらいいるのでしょうか?とりあえず日本で考えて、たとえば東大京大や早慶を卒業した人でみてみましょう。僕のときは東大一学年で約3000人でしたから、いわゆる”有名大学”の学生を合わせれば、2万ぐらいはいくでしょう。半分ぐらいは対人関係能力に問題があり、さらに半分はガリ勉君で応用が利かない、ということにしましょう。それでも5000人は残るのではないでしょうか。

僕は「5000人、結構いるなぁ」と思いました。これは一年あたりの数字ですから、現役世代に限って言えば数十万人の”頭のいい人”がいることになります。なお、僕の年の日本人は160万人ぐらいですから、5000人だと約0.3%ぐらいの割合です。

で、ここからが本題なのですが、果たしてそういう”頭がよろしい”人たちのうち、どれほどの人たちが本当のリーダーとなり、世の中を変えていけるのでしょうか?僕の主観では「そんな人にはめったにおめにかかれない」と思います。

というのも、本当にリーダーであろうと思ったら、”頭のよさ”に加えて、決断力、行動力、責任感、持続的な意思力、などが必要となってくるからです。むしろ”頭のよさ”なんて、数十万人のうちの5人ぐらいを選んでブレーンにしちゃえばいいのであって、代替可能な要素とさえいえるのかもしれません。翻って、決断力や行動力は代替できません。リーダーたる人が自分で何とかするしかないわけです。

そして、そうした人格に関わる要素は所詮2年間のMBA教育では身につかないとも思うのです。むしろ30近辺になってしまうと、人格可塑性は低いでしょうから、平たく言えば手遅れとさえ言えるかもしれません。もちろん、もともとそういう資質を持つ人たちを選抜して、MBA教育で磨き上げる、というストーリーも否定できませんが、中にいる人間としては、必ずしもそういう人たちだけが選抜されるシステムでもないな、と思います。

そんなこんなで、”頭のよい”ことはそれはそれで結構なのですが、この世の中においてもっと大事な資質はいくらでもある、と思うのでした。

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2009.06.04

サラリーマンの出世雑感

相変わらず連日連夜壮行会で、会によっては50歳以上の方々にお集まりいただくこともある。先日は主にテレビ局の方々を中心にしていたが、株主総会を控えた時節柄、話題になるのが人事。

といっても役員クラスは既に決まっているため、それ以下の局長や部長クラスの人事がもっぱらの話題。「誰それがどのポジションに行く」「誰それがこのポジションにつくのはあの人のおかげ。」などなど・・・。サラリーマン定番の酒の肴。

うちの業界に特有なのかもしれませんが、僕が毎回違和感を覚えるのは、出世トークになると、異動になる人の”能力”や”ビジョン”なりの話はあまり出ず、その人がどういう”人間関係”によってそのポジションにつくのか、ということが関心の主題になることだ。サラリーマン人生を通じて実感したのは、組織の中で生き残っていくためには”ついていく上の人”を見極める能力が何よりも重要であるということ。仕事そのものよりも。

しかし、みんながそんな内向きの話ばかり考えていると、会社に活力が生まれるはずもない。「誰それと誰それは元上司部下。」「あのポジションに行くと給料が上がる、下がる。」そんなことばかり話していてもしょうがない。みんな何のために仕事をしてるのか?給料を貰うため、あるいは出世のため?それだけではないはずだ。

当時は漠然としていたかもしれないが、やりたいことがあったから、あるいは何かにあこがれて、いくつかの選択肢の中で今の仕事を選んだはず。人事異動の時期には「将来はこのポジションについてこの仕事がしたい。」そんなことが話題の中心になってほしい。また、そこを立脚点にして「あの人がトップになれば何が変わるか」「今度の事業部長は何をしたいのか。何ができるのか。」そんなことを酒の肴にしたい。しかし、残念ながら多くのサラリーマンにとって出世は何かを為すための”手段”ではなく”目的”というのが現実だ。

上場企業のボードメンバーは地位やお金は既に十分持ってるのですから、組織の名称変更ゲームや人事パズルにうつつをぬかすのではなく、「会社の社員」あるいは「社会」に対してどういう貢献ができるのか。その為には何が必要なのか。日々そのこと第一に考えて仕事して欲しい。

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