2009.07.23

さらば戸越

引越しは大変だということを再認識しました。

そもそも月曜日の祝日にテニスクラブの方に誘われてダブルスの草トーナメントにでることになったのが計算違い。試合自体は3勝して一位リーグに行けたので、日本最後のテニスを気分よく終了できました。誘っていただいてありがとうございます。

しかし、それまで荷造りをまったくしていなかったため、この2日ぐらいほとんど徹夜をすることになりました・・・。最後まで使ってるものが多いとなかなかパッキングできません。なんとか荷造りも間に合って、昨日7年間住んだ戸越に別れを告げました。

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「ここから江戸を越える。」から戸越。五反田から都営浅草線または東急池上線で一駅。山手線沿線にくらべれば家賃もぐっと下がるし、日本一長い(?)商店街もある。都内で飲んでても大体タクシー3000円以内で帰れるので、非常に暮らしやすかった。

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いくつか馴染みのお店もできました。ここはうちから徒歩30秒のところにある居酒屋さん。夜中の1時ぐらいまでやっていて、なおかつ定食も出してくれるので、忙しいときはよく晩飯ここで食べていました。

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居酒屋の大将。長年にわたりご馳走様でした!

今は実家で実家送り分の荷物の仕分けと掃除の手伝いをしています。明日はいよいよ出国。

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2009.07.16

VISAゲット

本日無事にVISAを取得しました。お世話になった皆様有難うございます。なお、先日LBSからもVISAの申請状況を調査するアンケートがきたので、学校のほうでも危機意識があるのでしょう。きっと。聞くところによると、あまりにもVISAの審査状況がひどいのでイギリスの語学学校が連名で抗議したとかしないとか。

さて、これでようやくイギリスにいけることになりました。入国日は本プログラムの始まる最大1ヶ月前と決まっていますので、僕は当然のように一番早い7月24日に行くことにしております。

週末にはヤマトから段ボールが届くので、荷造りして、粗大ごみセンターに連絡し、市役所に行って住民票を抜いて、鮫洲にいって免許証を期限前更新して国際免許証を取得、現地の不動産屋にも連絡し、向こうで必要なもの(そんなにありませんが)を買い・・・。出発まではバタバタしそうです。

それと、こちらのブログを会社の人たちにも紹介したので、これをもちまして近況報告を兼ねさせていただきます。飽きられないようにがんばります。

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2009.07.13

断髪式

「痛、バリカンがひかかって痛いって!」

さすがに素人がやるとめちゃめちゃ痛い。なんでこんなことしてんだろーなー。

そもそもことの発端は10年前。当時イギリスに留学(半年間の語学留学)する飲み仲間が、代々木公園で「気合を入れる。」という理由で断髪式を行ったのだ。

そして、そう。今回奇しくも同じロンドンに留学する奴がいるということで、10年ぶりに断髪式が断行されたのである。今回は「大和魂を外人に分かってもらう。」だかなんだかの理由。

断髪式の会場はもう10年くらい通っている六本木の飲み屋。

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使用前。焼け石に水という言葉が頭をよぎるが、一応準備でゴミ袋を頭からかぶる。

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そしてこれがバリカン。なぜかペット用。

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よくわからない即席小道具。

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嬉々として順番に剃りこみをいれていく30代~50代の面々。

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色々なものが終了。

フラッシュのせいでハゲっぽくみえるけど、ハゲではありません。意外に髪の毛残っているようにみえるけど、実は結構残っていません。

ちなみに終了時はとてもまともに外を歩けない虎刈り状態だったので、翌朝一番で床屋に駆け込んだ。美容師さん曰く「完璧浮浪者ですね。」「一部の剃りこみが鬼ですよ。」という状況。バランスをとるために、やむなく一番短い長さに揃えることに。今は市川海老蔵クラスの坊主になってます。

入国審査大丈夫かな・・・

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2009.07.09

日本で語学学校に通う

LBSから「30時間以上英語の授業を日本で受けろ」とのお達しがあり、ベルリッツに通っています。お金の面では少々痛いが、そもそも留学中のボトルネックは英語になるであろうことが想像に固くないので、これもいいきっかけだと思うことにした。

思えばここ4年ぐらい英会話の授業を結構受けました。会社の語学研修を3回(週1回90分で半年間)、通訳学校のサイマルアカデミーに約1年間、GABAに3ヶ月、そして今回のベルリッツということになります。合計すれば約210時間ぐらいかな?もっともサイマルアカデミーは半分ぐらいしか出席できなかったけど。

僕の語学学校に対する感想は以下の通り

1.GABA
 プライベートレッスンを売りにしている。時間単価は結構安い。予約は全てWEBを通じてできるようになっており、振り替えも自由で使い勝手がよい。難点は先生の質とカリキュラム。先生は当たりはずれが大きく、大部分の方はあまり専門の教育を受けているとは思えない。カリキュラムも確立していないようにみえる。

2.サイマルアカデミー
 通訳者の養成学校。BCC、CNNのビデオ教材が充実しているし、先生のレベルも高い。グループレッスンしかなかったような気がするが、他の生徒の学習意欲は高かった。難点は振り替えが不可能なこと。加えて、教室数が少なく、交通の便も悪い。

3.ベルリッツ
 比較的教材もしっかりしてるし、先生の質もまぁまぁ。一般的な語学学校と比べるとやや料金が高めだが、変なところにいくよりはいいだろう。難点は先生を選べないことだろうか。

ちなみに弊社の社員は帰国子女がわんさかいる一方で、体育会系は信じられないぐらい英語ができない。入社時に強制的に受けさせられるTOEICでは200点台もいた。鉛筆転がしたってもう少しましな点数になるだろう。

僕は入社時のTOEICは750点で、大卒ドメスティックとしては可も無く不可もなくといったところだろうか。しかし、英会話の勉強を始めると自分の会話能力のなさに本当にあせった。実際、会社のレベルチェックでも、一般の英会話学校のレベルチェックでも、3年前は下から2つ目か3つ目だった。

で、今回のベルリッツによれば、僕の英語力は10段階評価(高いほうが良い)で7ということだった。一応インド人とも最低限のビジネスのやりとりはできるようになったので、まぁこんなもんだろう。なお、何をもって英語が上達したかと聞かれれば、僕の場合は語学学校の授業よりも、地味ーなMBA受験(文法、語彙、リスニング、エッセイ制作)の方が、寄与度が高い気がします。

もちろん、しゃべりはしゃべることでしか上達しないので、語学学校”も”行くべきですが、語学学校”だけ”は、効率が悪いと思います。英検1級でもTOEFLでもいいですが、なんらかの試験をベンチマークに据えてそっちのつまらない勉強も同時にする方が上達は早く、結局のところ授業料を有効に使うことになるのでは(TOEICはビジネスレベルを目指す人には簡単すぎると思われます)。

最後に、ベルリッツの担当のお姉さんによれば、日本人で英会話学校に通う人の英語力の評価は、ほとんどが10段階評価で1~4の間におさまり、そのなかでもボリュームゾーンはレベル1と2だそうな。やはり日本語と英語の距離は遠い・・・

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2009.07.06

VISA再申請

本日ウィンブルドン決勝明けで眠い目をこすりながらVISAの再申請に行ってきました。余談ですが、昨日の決勝戦はいい試合でしたね。フェデラーがあっさり勝つかと思ったらロディックも進化してて、結局ファイナルセットまでもつれ込みました。僕はロディックのユーモアのあるところが好きなので、もう一回ぐらいグランドスラム勝って欲しい。

さて、まだまだ終わらないVISA申請。どうやらイギリス本国でもVISA申請却下がちょっとした社会問題になっているようです。LBS在校生から教えていただいたフィナンシャルタイムズの記事によれば

一番極端な例ではつづりを一字間違えただけで申請が却下された例もある。このままではイギリスが海外留学生の受け入れを拒否しているという評判がたち、英国経済にとっても打撃になるだろう。」(大学へのインタビュー)

なお、VISA申請は形式審査のため、申請者の身分に関係なく、書類に問題があれば却下されているようです。官費留学(政府スポンサーレター保持者)の人たちはさすがに大丈夫だろうと思っていたのですが、官僚の先輩の話によれば、結構イギリス留学者は書類不備を指摘されて却下されているということです。

僕個人に関しては、英国大使館の査証部から「もう一度申請するのなら、あなたが完璧な資格保持者であることを証明する何らかのサポートレターを大学からもらったほうがよい。」というアドバイスをもらったため、LBSに一筆書いてもらっていました。もっとも、レターにサインする人が出張中とかでちょっと遅れてしまいましたが・・・

VISA申請センターが混んでいるというウワサを聞いたので、早めの8:00予約。しかしそれでもセンターに着いたら10人待ち。しかも僕の前の申請者の方々はことごとく受付でトラぶっている。

「本日の12時より前に来ていただければ再度受付します。それ以降ですとあらためて予約を取り直してください。」

と、いわれた人も1人や2人ではない。ちらっと隣をみたら、なんと会場についてから申請書類に記入しているつわもののお姉さんもいました。結局待ち時間は40分ほどになり、その間ベンチでスヤスヤ寝てました。

当局に言わせれば、「VISA申請者はホームページちゃんと読んでこい。」ということなのでしょうが、やはり複雑怪奇なシステムと、わかりにくい情報開示が混乱を生んでいるといわざるをえません。我々と違って横のつながりで情報収集とかできない人も多いでしょうし。ちなみに、僕は2回目なのでさすがに受付はスムーズで所要時間5分。外に出ると雨がふってたので、ずぶ濡れになりながら原付で帰りました。

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2009.06.24

VISA申請その後

イギリスへのVISA申請却下されてから、アドミッション、英国大使館、在校生、同期とバタバタ情報収集しました。皆さんご協力ありがとうございます。なお、LBS同期が昨日もう一名Refusalをくらいました。後に続く方々のご参考になればと思いますが、、、

1.余計なものは添付するな

あくまで参考情報として出した語学学校の書式でけちをつけられて却下された例があるので、法定のもの以外は出さない方がいいようです。弊社担当者の経験則「添付できるものは何でもつけとけ」はこと最近のVISA申請に関する限りあてはまらないようです。


2.大使館情報さえあてにならない

英国大使館の査証部からアドバイスをいただいて、これで大丈夫かなーと思っていたら

「去年からVISA申請手続きを外部で行なうことになり、大使館の方でも多少混乱があるという苦情を良く耳にします。大使館のアドバイスをあてにし過ぎないほうが良いかもしれません。弊社のWorkpermit申請でもそれをあてにして手続きが滞った経験があります。」

という在校生からの情報をいただきました。結局あたって砕けろか。


3.同じ書類でも結果が異なる

LBSのアドミッションからは「そもそもあなたはLBSの完全なキャンディデイトであり、英語のコースは本コースの一部に過ぎない。他の学生はこれでビザ発行されているので、もう一度トライしてね。」というお達しが。確かにLBSからのビザレターそのものにけちつけられたのはどうも僕だけみたいですが。


4.再審査よりも再申請

一応不服申し立て制度はあるのですが、一度却下された申請に対して反論するよりもさっさと新しい申請を起こしたほうが結果が早く出る可能性が高いそうです。


5.VISA申請は女尊男卑

アーサー王から連綿と続く騎士道精神のなごりでしょうか。いまのところLBS同期内では女性成功率100%(2/2)、男成功率0%(0/3)です。


ちなみに、生まれて初めて英国の移民法なるものを読みました。

英語の豆知識: 助動詞の"may"は法律文章では"can"の意味で使われる。

 例:You may appeal=あなたは不服申し立てができる。

はじめは「あなたは不服申し立てをするかもしれない。」という風に解釈して、なんて英国の法律は曖昧なんだ、と嘆きましたがそうじゃないのね・・・。

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2009.06.23

衝撃のVISA申請却下

すいません、正直なめてました。

本日VISA申請の結果が帰ってきました。審査期間は最低3週間と聞いていたけど実際は2週間弱。よっしゃよっしゃと思って受け取りに行き、封筒を開けたところ、「あれーなんかパスポートの判子がちっちゃいなー、これがイギリスのビザなのかなー。」と思っていたら、なんと衝撃の申請却下。

一瞬よく理解できない。マジで?そんなことあんの?今後の計画は一体どうなるの?

却下理由は書面で記されていて「学校からのビザレターにConditionalかUnconditonalか明記されてないから駄目よん。」

・・・っく。なんじゃそりゃー。

(ちなみに同じ書式で申請した他の日本人同期は申請通った。)

しかし、よくよく話を聞いてみると、どうやらこの手の話は珍しいことではないらしい。他の日本人同期は語学学校のビザレターをLBSのものと一緒に提示したのですが、そのビザレターが日本語で言う”いちゃもん”に近いような理由で却下されてました。LBSのビザレターに関しては何の言及もなし。

当局によれば、書類の不備でNGになった場合は、新書類を添付して再審査を請求できるとのこと。ところが、それをやると審査に最悪何ヶ月もかかるので、申請しなおしたほうがいいという情報もあり。

一回の申請で2万3000円かかるし、書類を作るのも面倒なのでできればやりたくないですが・・・。

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2009.06.20

住民税の話

最近更新がないなぁ、とおもってくださった方。そうです、ネタがないんです。やっぱ出発までアイドリング状態だと、事務手続きやってるかテニスをしてるかで、とりたてて耳目を引く出来事がありません・・・

昨日は住民税を払ってきました。1年分を一括なので合計50万円以上、結構高かった。

この住民税、不可思議、というが恐らく非効率な制度。まず、税額の計算が”去年の年収”に基づいて行われます。よって、今現在仕事がなくても、去年年収があれば、がつんと払わなければなりません。

僕の場合は住民じゃなくなるけど”住民税”を払わなければなりません。これも”去年分を今年徴収している”、という理屈に立脚しています。まぁ、これは払うタイミングがいつになるか、ということだけなのでまだ許せるのですが、奇妙なのは「1月1日の居住している自治体に対して払う」という理屈。簡単に言うと、1月1日に日本に帰ってくれば住民税を払い、1月2日に帰ってくれば少なくともその年は払わなくてすむのです。

どう考えても、「居住した月から払い」「その月の収入から払う」とした方が納得性が高い。いまどき計算はコンピューターがやってくれるし、サラリーマンはどうせ給料から天引きされてるんですから、技術的には可能に思えるのですが。

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2009.06.16

ソニー役員との対談 2

3.インターネットのインパクト

二つ目のインパクトとは、インターネットである。これがそれまでの音楽の流通経路を破壊してしまった。CD時代はメーカーと音楽業界の二つの主体がいて、両者はまさにWin-winだった。まずメーカーは音楽業界が納得するクオリティのプレーヤーを作る。そして、CDが売れればその結果としてプレーヤーも売れる。CDの販売収入は音楽業界を潤す。

ところが、iTunesのようなインターネット配信では、Win-winではない。まず、音楽業者はクオリティに不満である。配信業者は軽いほうがいいので音楽データを大幅に圧縮してしまう。また、PCのスピーカーも標準のものでは音楽業者はとうてい満足できない。この結果、日本ではメジャーな歌手はiTunesに楽曲提供をしていなかった。最近は徐々に変わりつつあるが。

現在、市場には音楽業界、メーカー、配信業者という3つのプレーヤーがいて、3者は消費者のお金をより多く取ろうと争っている。昔アーティストはCDで稼いでおり、コンサートはCDのプロモーションのためだったが、今は配信でプロモーションし、コンサートで稼ごうとしている。当然うまくいってない。かたや配信業者は我侭なアーティストをマネジメントすることもなく、出来上がったものを流すだけでお金をとろうと目論んでいる。業界のためにお金のかかる宣伝なぞしない。かといってメーカー、とくにソニーはこれまでのアーティストとの関係性があるため、評判の悪い配信業務の参入に踏み切れない。


4.グローバルビジネスと為替

なぜ日本のメーカーがこれほどまでにグローバル展開で成功したのか、ひとつの原因は間違いなく円安である。日本の工場でつくり、海外で安い値段で販売する。売れないはずが無い。

韓国メーカーの製品が売れているのもウォン安のおかげであろう。技術的水準はまだ日本の方が高いとおもうが、それを補って余りある価格競争力がある。現在の円高は深刻なマイナス影響要因だ。1ドル100円をきってくると、とても日本の工場で製品はつくれない。既にソニーは70%以上海外で製品を生産しているが、この数字は今後も高まっていく。


5.ソニーの経営課題

ソニーの最大の経営課題はテレビ事業である。音楽や映画などの他の事業はそこそこ黒字(ゲームは赤字だが)で、赤字の大部分はテレビである。欧米の会社であればとっくに部門を切り離しているとおもうが、それをするとソニーではなくなってしまう。

ソニーがかつてのような技術的な創意工夫の工場でなくなり、本社機能の肥大化と会社全体の官僚化が進んでいるという意見もある。ある程度真実であるが、既にソニーは7兆円の売り上げをあげる大会社であり、やむを得ない面もある。今後もその傾向は強まっていくかもしれない。企業規模は縮小はできないのだから。


お話で強く印象に残ったことは二つある。ひとつは、外部環境がいかにビジネスに大きな影響を与えるか、ということだ。我々が事業を語るときややもすると経営者の功罪に意識が集中しがち(『出井会長の失敗』など)だが、所詮それもひとつの経営要素に過ぎないということは忘れてはならない。無能な経営者でも環境がよければ業績は拡大する。

もう一つは、やはり参入障壁のある市場を創造し、デファクトスタンダードを獲得した者こそがもっとも大きな果実を得るということだ。OSマーケットを制覇したマイクロソフト然り、CDマーケットを席巻したソニー然り。

共通しているのは、両社とも単独で事業を行わず、他者とのアライアンス(明示的でないにせよ)を組んだことだ。マイクロソフトはIBMのベンダーとしてMS-DOSで成功をおさめ、ソニーはソフト業界と良好な関係を築きCDを売りさばいた。このような提携関係は競合の参入を阻む特権的な地位を与える。

色々と考えるきっかけの多い、有意義なお話でした。

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2009.06.14

ソニー役員との対談 1

欧米のビジネススクールに行く前にやっていおいたほうがいい、とよく言われるのが「日本の研究」。ということで、日本の代表的なエレクトロニクス会社であるソニーの執行役員の方と対談して来ました。

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この方は大学のサークルの先輩(といっても20年くらい上ですが)で、とても後輩の面倒見がいい。「ソニーについて勉強できるいい本ないですか?」と聞いたところ「俺が講義してやるから本社に来い」と言ってくださったので、甘えさせていただきました。

巷のソニー本はやはり盛田昭夫、井深大という2大創業者に焦点を当てているものが多いのですが、この方のお話はもっと大局的な観点でかつ地に足のついた議論をしてくださり、勉強になりました。

1.ハードとソフトのシナジー

ソニーという会社は1975-1985のいわゆる「VHS VS ベータ戦争」の前と後で性格が異なっている。それ以前は『鉄(=磁気テープ)』に強く、独自規格よりも汎用性の高いフォーマットを採用し『シェアを追及する会社』だった。

ところが、ベータという独自規格を追求した結果負けた。最大の敗因はソフト業者(ハリウッド、レンタルビデオなど)の支持を得られなかったこと。この後ソニーはソフト業者との関係を深めていく、それがCBSレコード・グループ(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)/1988年と、コロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメント(現、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)/1989年の買収の背景である。

1980年代からソニーは音楽業界と良好な関係を築き、CDという規格をスムーズに普及させることができ、音楽業界とその果実を分け合うことができた。シェア追求よりも『市場の創造と拡大』という戦略に転換したとも言える。その後、DVD、ブルーレイについても順調に標準規格を確立している。

2.デジタル技術のインパクト

1990年代に繁栄を謳歌したソニーだが、二つのインパクトが経営に大きな影響を与えた、そのひとつがデジタル化である。かつてのアナログ技術は1人の技術者が天才的なひらめきで新方式を開発することもあり、生産方式は他社が真似をすることが難しかった。言い換えれば参入障壁を築くことが容易だった。

一方デジタル技術は基本的にオープン。例えばいろんな業者からパーツを買ってきて組み合わせれば、テレビが作れてしまう。当然製品はコモデティ化(=メーカーごとの違いがない)し価格競争に陥っていく。

また、ひとつの半導体のTVチップをつくるのに300~400人の技術者が取り掛かっている。必然的に革新的な新技術というのはうまれにくい。さらに、この半導体製品は安定的に生産しているときにもっとも単価が下がるという特徴があり、需給に応じて生産量が調整できない。ある程度商戦期に向けて作りだめしておくため、想定量が売れないと膨大な在庫償却の評価損が発生する。これが前年度の大赤字の原因である。

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